2011年10月30日
朗報
不育症で今までヘパリン療法されていた方も多いと思いますが、自費でけっこうな自己負担となっていました。今月より、保険での治療が可能となりました。ただし、現状では自己注射は、原則認めていません。12月くらいには自己注射も適応になる予定です。
2011年09月19日
出生数は
2009年度の体外受精での出生児数は26680(凍結融解胚が16454、つまり61.7%)となりました。2009年の出生数が1069000でした。これから計算すると体外受精児が2.5%占めている事がわかります。40人に1人になったと言う事です。既に体外受精児が珍しい時代は過去のものです。
ちなみに累積出生数は242435人です。
2011年09月18日
融解胚
融解胚の成績ですが移植回数71201、移植当たりの妊娠率32.6%、流産率25.3%、多胎率4.9%でした。新鮮胚よりは良いです。昨日も言いましたが、凍結融解胚の方が、条件の良い症例が多いと言う理由が1番考えられます。既に移植の50%以上は凍結融解胚(当院では、さらに凍結融解胚の比率は高いですが)です。 今後ますますこの傾向は強まっていくでしょうね。
2011年09月17日
続きです
新鮮胚移植の成績です。体外受精、顕微授精の移植周期数、妊娠数、妊娠率(移植当たり)はそれぞれ28075 vs 29336、6818 vs 5956、24.3% vs 18.1%でした。また流産率、多胎率もそれぞれ23.6% vs 26.4%、6.0% vs 7.2%でした。あまりぱっとしないせいせきですが、原因は単一胚移植と条件の良い症例では新鮮胚移植せず凍結融解胚移植する傾向が強くなっている為と思います。
2011年09月14日
続きです
分娩例報告施設数ですが、体外受精は分娩例報告施設数/実施施設は418/536=78%、顕微授精は309/417=74.1%、凍結融解胚では399/492=81.1%でした。この3種のテクニックはARTでは基本で、全てが出来るのが当たり前の施設です。ということはこれらの分娩した施設数の最大公約数は309という事になるでしょう。登録施設(625)から考えるとほぼ半分以上が幽霊施設に近いのは驚愕の事実です。
2011年09月11日
2009年
日本産婦人科学会から2009年の成績報告がありました。数回に分けて報告します。
先ず、学会登録施設数625です。実施は548でした。幽霊施設が多いので数年前再登録を実施して少し施設数は減っていましたが、再度、増加しているようです。約80の実施していない施設は何故、登録を取り消さないのでしょうね?不思議です。
2011年08月04日
妊娠中のDHA
妊娠中に青魚等に多く含まれている、脂質のDHAを妊娠中に摂取すると、赤ちゃんの風邪予防に有効という論文があったので以下に紹介します。サプリメントの妊娠中の摂取を肯定するもので、興味深い論文です。
妊娠中の女性が葉酸を摂取することで子供の先天異常リスクの一部を減少できることはよく知られているほか,一部の薬剤やワクチンが胎盤や母乳を通じて子供の疾患予防に役立つとの報告があります。。Pediatrics 8月1日オンライン版には,妊娠中のドコサヘキサエン酸(DHA)のサプリメント服用により,子供の生後6カ月までの感冒発症率と罹病期間の減少したとする論文が報告されました。
米エモリー大学のBeth Imhoff-Kunsch氏らは,メキシコに住む妊娠中の女性1,094例を対象に検討を実施。DHAサプリメント400mg/日を服用したDHA群485例とプラセボ群488例の出産後6カ月までの予後を比較しています。 咳や痰,鼻の症状など感冒に関連する個別の症状の発症リスクに有意差はなかったが,生後1カ月時点における,これらを総合した感冒症状(cold)の発症リスクはDHA群で有意に低下していた(オッズ比0.76,95%CI 0.58〜1.00)。 また同時点においてDHA群ではプラセボ群に比べ咳,たん,喘鳴の期間がそれぞれ26%,15%,30%有意に減少していた(それぞれP≦0.01)。また,生後3カ月では全感冒症状の期間がDHA群で14%の有意な減少が見られた(P<0.0001)。
生後6カ月時点でもDHA群でプラセボ群に比べ,熱,鼻汁,呼吸困難,発赤や他の感冒症状を呈した期間がそれぞれ有意に短縮していた一方,吐き気の期間は有意に延長していた(それぞれP<0.05)。
同氏らは妊娠中のDHAサプリメント摂取により,児の生後1カ月の感冒発症やその後の罹病期間が減少することが示唆されたと結論。400mg/日のDHAは食事からの摂取が可能だとしている。
2011年07月21日
手足口病(Hand Foot Mouse disease)
最近流行っています。症状は手足口に発疹が出る病気です。ご存知のように幼児の感染症です。稀に大人も感染します。
妊婦の手足口病に関して少しコメントします。これまでのところ妊婦の手足口病 による流産・胎児異常は極めてまれなものと考えられています。しかし詳細不明の部分も多いので、これから妊娠希望の方は出来るだけ感染の疑いのある幼児には近づかない方がよいと思います。
2011年06月03日
携帯電話
昨今、携帯電話の長期使用が脳腫瘍発生リスクを高めるのでは、という報告がセンセーショナルに報じられましたが、携帯電話と生殖医療に関しても負のリスクがあると言う報告があります。
以下の報告で精子数の減少に携帯電話が関与するという無いようです。携帯電話の長期使用はお控え下さい。
以下が要旨です。
携帯電話の使用が精子数の減少など精液の質に影響
携帯電話の使用,特に長時間の使用は精液の質を低下させると,米クリーブランド・クリニックのグループがFertility and Sterilityの1月号に発表されました。
この報告では,不妊検査を受けた男性361人を携帯電話の使用状況により,不使用,1日の使用が2時間未満,2〜4時間,4時間超の4群に分け,精子のパラメータ(精液の量やpH,粘度,精子の数,運動性など)を評価しました。
その結果,精子の数,運動性,生存能力,正常な形態の割合の4つのパラメータは,いずれも携帯電話の使用時間増加に伴って明らかに低下していた。これらのパラメータの低下と,精液の最初の質との間には関連は認められなかった。
Agarwal A, et al. Fertil Steril 2008; 89: 124-128.
上が出典文献です
2011年05月11日
鍼灸の有効性の論文
当院でも鍼灸を始めましたが、鍼灸の有効性の論文を要約したのでご覧下さい
鍼治療の併用で体外受精の成績が向上する可能性
体外受精に鍼治療を併用すると妊娠率と出産率がアップする可能性があることを示すメタ解析結果が,米メリーランド大学のグループによりBMJの3月8日号に発表された。
対象とした研究は,胚移植の1日以内に鍼治療を受ける群とコントロール群(疑似鍼治療または補助療法なし)にランダムに割り付け,妊娠,妊娠の継続,出産のいずれかについて報告しているものとした。
7件の研究(体外受精を受けた女性1,366例)が適格基準に該当した。解析の結果,鍼治療群はコントロール群と比ベて妊娠率が65%,妊娠の継続率が87%,出産率が91%高かった。しかし,コントロール群の妊娠率が高かった3件の研究では,鍼治療の効果は有意ではなかった。
同グループは「現在の予備的エビデンスは,胚移植の補助療法としての鍼治療は体外受精の妊娠率と出産率を高める可能性があることが示唆された」と結論している。
Manheimer E, et al. BMJ 2008;336: 545-549. (←出典文献)
2011年03月28日
日本生殖医学会 認定研修施設
日本生殖医学会 認定研修施設に認定されました。兵庫県は当院含め3施設が選ばれています。
今後はこれから生殖医療を担う若手医師の養成にも、当院としては協力していく所存です
2011年02月20日
2010年成績
不妊治療全体の臨床妊娠数は363例でした。昨年比では若干の増加です。内訳ですが、タイミング107例、人工授精89例、体外受精168例となっています。一般不妊治療(AIHまで)の治療妊娠人数は減少し。体外受精妊娠数は30例増加しています。ほぼ半数が体外受精妊娠ですね。以上を素直に読み取ると、当院の体質が、かなり高度生殖治療の専門施設に特化してきていると言う事でしょう。
もう少し詳細な成績の報告は、今後アップされるホームページと院内掲示でご覧下さい。
2011年02月13日
近日中
遅くなりましたが、昨年の不妊治療成績のまとめが出来ましたので明日以降、ブログ並びにホームページ、院内掲示で公表したいと思います
2011年01月16日
ISO監査
本日はISOの維持審査+外来+新電子カルテの打ち合わせと、夕方まで多忙です。種々の問題を一つ一つクリアにしていきたいと思います。がんばります。
PS:先々日の日本のARTの報告は、諸外国の報告とほぼ一致したものでした。赤ちゃんへの先天異常のリスクなども予想の範囲内で、ART自身に対する問題性はあまり無いという結果になっています。
たた妊娠後の前置胎盤の割合は当院での妊娠でも少し高い印象があります。後日、精査して報告したいと思います。
2011年01月14日
続き2
先日の結果を年齢で補正したところのコントロールとのリスクは比は以下です
補正前 後
周産期死亡 1.49 → 1.20
低体重児出産 1.26→ 1.08
先天異常 1.15 → 1.17
性比 1.02 → 1.02
以上のいいずれも有意な上昇は認めませんでした。
また妊娠中の異常としては前置胎盤が多くなっています(1.5% → 4.7%)
その他には著変ありませんでした。
2011年01月13日
続き
臨床結果を比較します(ART : コントロール)
周産期死亡率は1.6% : 1.1%
低体重児出産 20.6% : 17.1%
先天異常 2.3% : 2.0%
性別(男児%) 50.8% : 51.3%
という結果で低体重児出産以外、統計的には有意差は認めませんでした。
2011年01月12日
ARTの児への影響について
この手の報告は外国は多いのですが、日本では今まで報告はありませんでした。5年位前からARTの全症例報告義務が出来て、やっとですが今回論文の中で報告されました。2006年度のものです。
自然妊娠で出産した53,933(コントロール群)とARTでの出産1,408例との比較です。
年齢はコントロールで31歳、ARTは36歳でした。明日以降、両群を比較してARTでの分娩に問題がないかどうか検討していきたいと思います
2010年10月06日
ノーベル賞
今年のノーベル医学生理学賞は英国のエドワード博士でした。この方は業界では有名人でしたが、まさかノーベル賞とは意外でした。技術的にはそれほど高度な技術が必要無いと思いますので、ノーベル賞は驚きです。ただしこの方が、先鞭となり、その後多数のIVFベビーが生まれたのは周知の事実です。この点から考えると、業績はノーベル賞ものですね
2010年10月03日
念のため
インフルエンザワクチンは胎児に対して問題ないことは良く知られています。以下のことは昨年もお知らせしたかもしれませんが、再度周知してもらった方がよいと思い書き込みました。日本産婦人科学会が昨年、公表した文面です
妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対しての
新型インフルエンザ(H1N1)
感染に対する対応Q&A (一般の方対象)
平成21年9月28日
社団法人 日本産科婦人科学会
Q1: 妊娠している人は一般の妊娠していない人に比べて新型インフルエンザに感染した場合、症状が重くなるのでしょうか?
A1:妊婦は肺炎などを合併しやすく、基礎疾患がある方と同様に重症化しやすいことが明らかとなりました。
Q2: 妊婦が新型インフルエンザワクチンを受けても大丈夫でしょうか?
A2: 安全かつ有効であると考えられています。季節性インフルエンザワクチンに関しては米国では長い歴史があり、安全性と有効性が証明されています。米国では毎年、約60万人の妊婦さんが季節性インフルエンザワクチン接種を受けていますが、大きな問題は起こっておりません。妊娠中にワクチン接種を受けた母親からの赤ちゃんについても有害事象は観察されていません。新型インフルエンザワクチンも季節性インフルエンザワクチンと同様な方法で作られているので同様に安全と考えられています。ワクチンを受けることによる利益と損失(副作用など)を考えた場合、利益のほうがはるかに大きいと世界保健機構(WHO)も考えており、妊婦に対する新型インフルエンザワクチン接種を推奨しています。また、ワクチンを受けるということは「自分を守る」とともに、「まわりの人を守る」ことにつながります(妊娠中にワクチンを受けると出生した赤ちゃんも数ヶ月間インフルエンザになりにくいことが証明されています)。
2010年09月16日
移植胚数の比較
日本での単一胚移植の割合は新鮮胚で59.9%です。融解胚移植では67.7%でした。
諸外国の単一胚移植の割合ですがフランスでは20%、ドイツでは12.4%、イギリスでは11.6%となっています。
一方、北欧諸国ではデンマークでは36.4%、スウェーデンでは69.9%と言った具合です。法整備が最も遅れている日本が単一胚移植が多いのは驚きです。国民性からも法整備が無くても自主規制が出来るのでしょうね
2010年09月14日
治療成績
新鮮胚の成績ですが、体外受精では採卵当たりの妊娠率は12.2%(移植当たりは23.8%)、ICSIは9.5%(移植当たりは19.9%)です。融解胚移植での移植当たりの妊娠率は32.2%となります。
欧州に比べ新鮮胚の妊娠率が低く、融解胚は高い傾向にあります
2010年09月13日
治療回数
先ず、採卵周期では体外受精55863、ICSI60152、TESE-ICSI2228・・・合計127081でした。融解胚移植の治療周期数は60026周期です。
新鮮胚移植数は体外受精で28609、ICSIで28547です。融解胚移植数は57749です。
新鮮胚移植全体と融解胚移植全体ではほぼ1:1で欧州に比べ融解胚移植が多いのが本邦の特徴です
2010年09月09日
日本の最新資料
2008年度の日本のARTの成績が公表されました。明日以降は、この方面の成績を公開したいと思います
2010年09月07日
各国移植胚数
全体的に2.3個移植が多いですね。先ず、主要国から見ていきましょう。フランスでは1個は20%、2個63.3%、3個15.2%、ドイツでは12.4%、65.8%、21.8%、イギリスでは11.6%、83.6%、4.8%となっています。
一方、北欧諸国での1,2,3個移植の割合を紹介します。
デンマークでは36.4%、59.3%、4.2%、スウェーデンでは69.9%、30.1%、0.0%・・・・と言った具合です。主要国は、日本よりも質重視のARTをしているとは思えませんね
2010年09月06日
各国の妊娠率等
新鮮胚での成績では(採卵当たりの妊娠率)、ラトビア68.6%、セルビア47.9%、トルコ47.9%、ウクライナ34.1%・・・・ドイツ29.9%、イギリス28.9%、フランス24.2%と日本より良いですが、凍結融解胚移植ではモンテネグロ33.3%、スウェーデン23.8%・・・イギリス20.1%、ドイツ18.1%となっています。凍結融解胚の成績は悪いし、さらに融解胚のART全体の割合も26%程度にすぎません。はっきり言って、この分野はヨーロッパは今一という事でしょうね
2010年09月05日
人口当たりでは
生殖人口(15-45)100万当たりでの実施数では、デンマークの10132がトップで、ベルギー(9383)、フィンランド(7827)、スウェーデン(7337)、アイスランド(7088)と続いています。
ヨーロッパのART大国であるフランスは4436、ドイツは2843、イタリアは2993、イギリスは3039周期でした。
人口当たりにすると、高福祉の北欧が多いのが目に付くます。また、先日、周期数が多いと言ったトルコも1878周期でヨーロッパの主要国よりは頻度が低いですが、イメージよりは多いのに驚きです。
2010年09月03日
治療周期数では
昨日の続きですが、ARTの全治療周期数は(括弧内が周期数)、フランス(65749)、ドイツ(54695)、スペイン(49943)、イギリス(49953)、イタリア(40748)、その次がトルコ(37468)となっています。
何となくトルコが多いのは意外ですが、文献の検索をしているとトルコの施設が書いた論文にも良く出くわします事に納得しました。良くわかりませんが、イスラム圏ではこのような治療に対して何らかの制限等はないのでしょうか?
2010年09月02日
間が空きましたが
ESHREの報告の続きです。ヨーロッパでART実施施設数(括弧内が施設数です)多い順はイタリア(202)、スペイン(182)、ドイツ(122)、フランス(102)、トルコ(77)そしてイギリス(70)の順です。いずれも少ないですね。日本の700施設は異常としか言えないかもしれません
2010年08月24日
日本では
2007年のIVF,ICSI,凍結融解胚は実施数は凡そ、52000,53000,45000となっています。融解胚移植の多いのが特徴です。妊娠率(胚移植当たり)は、それぞれ26.4%、22%、32%となっています。欧州と比べると妊娠率は低いですね。ただし単一胚移植の割合は、それぞれ46%、48%、54.8%と欧州全体と比べると高率です。妊娠後の予後等の観点からも可能な限り単一胚移植が望ましいと思います
2010年08月23日
ESHRE NO.2
昨日の続きです。、妊娠率に関してはIVFでは移植当たり32.4%、ICSIでは33%です。AIHのデータもでており40歳以下で9.2%でした。移植胚数は1個が22.1%、2個が57.3%、3個が19%、4個以上が1.6%となっています。分娩では単胎分娩が79.2%、双胎分娩が19.9%、3胎分娩が0.9%です。明日に本邦と比較しますが、妊娠率はそれ相応と言ったところですかね。驚きは、移植胚数が多い点ですね。これくらいの胚数ならば、もう少し妊娠率が高くても良いのではと思います。当然ながら多胎妊娠が多いですね
2010年08月22日
ESHREの2006年成績
2006年度のヨーロッパ不妊学会(ESHRE)のART成績が公表されているので数回にわたり紹介します。ヨーロッパ32カ国のデータです。実施されている周期数はIV 117318F、ICSI 223844、凍結融解胚移植86059、提供卵子12685、PGD6561実施されています。
また全ての施設が登録報告されている20カ国(人口4億2250万)では359110周期のARTが実施されました。これは100万当たり850周期のARTがおこなわれているということです。
2007年の日本での治療周期は約15万周期です。これは人口100万当たりにすると約1100周期となりARTの実施頻度はヨーロッパを上回ると言う事になりますね
2010年08月13日
興味深い論文
以下の内容の論文が発表されました。
初回の妊娠時流産から次回妊娠までの間隔が6か月以内の場合では周産期予後が最も優れていたと結論の論文が出ています。現在,WHOなどが推奨するような次回妊娠までの間隔調整(6ヶ月以上開ける)は不要ではないかとして,ガイドラインの見直しを提言しています。以前から、流産後の次回妊娠に期間をあける必要がないと考えていた私の考えに合致した内容です。
以下が論文の中身です
英アバディーンのEleanor R. Love氏らは,同国内の約3万例の女性を対象とした後ろ向き研究を実施,その結果をBMJ 8月5日号(2010; 341: c3967)に報告した。初回妊娠時の流産から6か月以内の妊娠では再度の流産や中絶のリスクが若干上昇傾向にあったものの,出産できた場合の周産期予後は最も優れていたという。同氏らは,現在世界保健機関(WHO)などが勧告している「初回の妊娠で流産した後の次回妊娠間隔(interpregnancy)は6か月以上空ける」との内容を見直すよう提言している。
24か月以上の場合,子宮外妊娠などのリスクが上昇
妊娠24週以前に起こる自然流産は全妊娠の5分の1に起こるとされているほか,初回の流産以降の妊娠における流産,その後の妊娠における合併症のリスクが増加するとの報告もあるようだ。Love氏らによると,流産は大きな苦痛と関連するほか,次回妊娠の適切なタイミングを考慮するきっかけともなりうるという。
しかし,現時点ではWHOのガイドラインが初回の流産から次回妊娠までは少なくとも6か月の間隔を置くことを推奨しているほか,18~23か月の間隔を開けるべきとする報告もあるなど,コンセンサスは得られていないと同氏ら。
一方,特に先進国においては初回出産年齢の高齢化が進んでおり,同氏らは次回妊娠の間隔を空けることがさまざまな問題につながる可能性を指摘,英国保険サービス(NHS)データベースを用いた検討を実施した。
1981~2000年に初回妊娠時の流産ならびに次回妊娠の記録のあった女性3万937例を対象に,初回と次回の妊娠間隔によりその後の妊娠,出産に関する予後がどう異なっていたかを調査した。
2回の妊娠間隔が6~12か月の場合,6か月以内の間隔で再度妊娠した人に比べ,関連アウトカムのリスクは低下傾向にあった。2回目の流産の補正後オッズ比(OR)0.66(95%CI 0.57~0.77),中絶(termination)0.43(同0.33~0.57),子宮外妊娠0.48(同0.34~0.69)
一方,間隔が24か月以上の場合には2回目の妊娠における子宮外妊娠(OR 1.97,同1.42~2.72),中絶(同2.40,1.91~3.01)のリスクが高まっていた。
また,6~12か月の間隔を空けた場合に比べ,6か月以内に再度妊娠,出産に至った人では帝王切開(同0.90,0.83~0.98),早産(同0.89,0.81~0.98)あるいは低出生体重児(同0.84,0.71~0.89)のリスクは若干下がる傾向が見られたが,分娩誘発のリスクはわずかに上昇していた(同1.08,1.02~1.23)。
2010年08月05日
有意義でした
今日は夕方より、隈病院顧問の網野先生(元阪大教授)との定例の不妊と甲状腺の勉強会をしました。当院での潜在性甲状腺機能低下に対するチラージンの有効性に関してのデータに関してディスカッションしました。多方面から有意義なアドバイスをいただきました。今後もこの方面での臨床研究をライフワークに頑張っていきたいと思います。
2010年07月26日
次回からセミナー3部は
次回からは体外受精に限局したセミナーにしようと思っています。当院で実施している体外受精とその特徴と言った内容が良いのではと思います。ご意見有れば、頂戴したいと思います
2010年07月22日
栄枯盛衰
先日、某大学病院から診療案内の本が郵送されてきました。某大学はART診療では草分け的存在で、少なくとも10数年前まではこの領域の中心施設でした。送られてきた本の中の産婦人科のページを見て驚きました。昨年の採卵数は28件、移植数は融解胚を含めて37周期で、総妊娠数は7件のみで移植当たりの妊娠率は19%に過ぎませんでした。先ず、実施件数の少なさに驚きました。これが時代の流れという事なんでしょうね。かつて病院主体でART診療が行われた時代は既に過去のものとなったと言う事でしょう。病院では診療時間の制限(夜診などもありませんし、土日も診療できない)があり、また専門スタッフ(培養士など)を集中的に集める事も出来ないので、この医療を担うのは難しいでしょう。
妊娠率が異常に低い原因としては実施件数の少なさが関係していると思います。いくら優秀なスタッフが揃い、施設も充実していたとしても稼動していないところでは満足な成績は無理でしょう。
ま、夏草やつわものどもが夢のあと と言うところでしょうか
2010年05月26日
ご覧下さい
受精着床学会誌に2つ論文が掲載されました。論文の要旨はホームページの学会発表・論文に掲載しています。特にIMSIに関しては非常に有効な手法である事が明らかとされています。
この報告の続きの研究発表は今年度の受精着床学会で発表予定です。学会後にはまた報告したいと思います
2010年04月20日
AMHの意義
つまりAMHが高い値を示すと言う事は、発育初期の卵胞(卵子と言ってもよいです)が多く存在すると言う事です。逆に低いとなると、その数が少ない事を示しています。卵子数は年齢に反比例しますので、AMHの値は少なからず卵巣の年齢を示唆するもの考えます
2010年04月19日
女性のAMH
女性でのAMHの産生部位はどこかと言うと、卵子を取り巻く顆粒膜細胞という細胞が産生源です。正確に言えば発育初期の卵胞の顆粒膜細胞が産生の主です。AMHの働きは、原始卵胞から発育卵胞への発育を抑制に作用しています。これにより、過剰な卵胞の発育の抑制を行っているのです
2010年04月18日
AMHは元々どういうホルモンか?
先ずミュウーラー管という組織は退治にある組織で、将来、女性生殖器(子宮等)の元になる器官です。アンチミューレリアンホルモン(AMH)は日本語で言えば抗ミューラー管ホルモンで、読んで字の如く、ミューラー管を萎縮させてしまうホルモンです。男児は胎生期に、このホルモンの影響で体内に子宮等が形成されないと言うことです。
2010年04月16日
AMH
卵巣の予備能力を知る検査として、最近最も注目されているAMHについて、少し数回に分けて解説して行こうと思っています。先ず、AMHとはアンチミューレリアンホルモンのことです。以下の図に示したところから産生されています

2010年04月13日
何とか
本年度の受精着床学会へは結局、3演題のエントリーをしました。IMSIの有効性、DHEAの卵巣機能の改善、ゴナールエフの乏精子症への有効性についての3演題です。発表までにデータの詳細の分析を行って、今後の診療に役立てたいと思います
2010年03月25日
結果2
妊娠に関しての結果です。DHEA投与前に18例移植して1名妊娠も流産となりました。
投与後は16例中4名妊娠し流産は1名となりました。結果の表が以下です
DHEA投与前 DHEA投与後 P値
妊娠率 5.6% (1/18) 25.0% (4/16) 0.1335
着床率 3.3% (1/30) 16.0% (4/25) 0.1315
流産率 100.0% (1/1) 25.0% (1/4) -
2010年03月24日
結果1
先日の発表で示した研究の結果です。体外受精している人の中で、採卵数が少なく結果的に妊娠継続出来なかった24例の患者さんに2ヶ月以上DHEAを内服してもらって、内服前後の成績を比較しました。下の表から採卵数、受精率はわずかに改善、培養3日目の分割数(細胞数)は有意に増加しています(分割数が多い方が良好です)、そして胚盤胞への到達率も増加しています。
当初期待していた、採卵数の増加よりも胚の質向上への効果の方が大きいように思われます
DHEA投与前 DHEA投与後 P値
採卵直前 E2(pg/ml) 1665±1288.6 1548.9±978.1 0.7442
採卵個数 4.1±3.6 4.4±3.3 0.771
受精率 65.3% (64/98) 70.5% (74/105) 0.4333
Day3 平均分割数 6.1±2.2 7.7±2.1 < .0001
良好胚率 7.7% (5/65) 16.2% (12/74) 0.1202
胚盤胞到達率 21.4% (12/56) 29.4% (15/51) 0.3495
2010年03月23日
復習ですが
DHEAを少し復習しましょう。以前にも紹介した事があるので、ご存知の方も多いかと思います。DHEAはDehydroepiandrosteroneの下線の文字で略語です。コレステロールを原材料にして、副腎皮質や卵巣で生成されます。DHEAが原料になり男性ホルモン(テストステロン)が生成され、さらにテストステロンは女性ホルモン(エストロゲン)の原料になります。
つまりコレステロール→DHEA→テストステロン→エストロゲンの順に生成されます。DHEAを投与する事でテストステロン、エストロゲンが増加します。増加したこれらのホルモンは卵胞数の増加を導き出します。結果、DHEAの投与で排卵誘発の際の卵胞数が増えると言う事でしょう。それ以外にもDHEAは
IGF-1という物質を誘導する事が知られています。この物質は卵胞へのゴナドトロピン(FSHなど)の反応性の増強作用があり、結果として卵子の質向上に働いていると思われます
まとめますとDHEAの生殖への影響は、卵胞数を増やすことと卵子の質向上の2点にあると思われます
2010年03月22日
次はDHEA
次の発表である"体外受精不成功例(卵巣機能低下症)におけるDHEAの有効性について"少し解説していきます。
以下の文面を目的にDHEAの有効性について検討しています。明日以降、具体的に説明して行こうと思っています
Dehydroepiandrosterone(DHEA)はステロイドホルモンの一種で、加齢によって分泌が低下する性ホルモンである。近年、欧米などでアンチエイジングの目的で広く服用されているが、不妊治療において、卵巣機能の低下した体外受精患者にDHEAを一定期間投与することで採卵数の増加や胚の質が上がったという報告がある。今回当院は、DHEA投与が体外受精の成績の向上に影響を与えたか検討した。
2010年03月19日
当院での成績比較
昨年の後半期に顕微授精した256個の卵子に対しそれぞれIMSIとICSIをほぼ半分ずつ施行したところ、受精率は10%高く、胚盤胞到達率も15%高いという結果となり、IMSIはICSIより優れているようです。
全国でも導入施設は10施設程度ですが、IMSIの成績が明らかになってくれば、、従来のICSIからIMSI-ICSIへと移行する時代が早々に来るように思います。
2010年03月18日
通常はこういう感じ
通常の顕微授精(ICSI)は以下のような大きさの精子を観察して、精子を選んでいます。16,17日の精子の図と比較すれば、IMSIでは如何に頭部が拡大され、その構造が明らかである事がわかrます

2010年03月17日
不良精子とは
以下のように頭部に空胞(頭部にある球状のもの)が多いものや、頭部の幅が広いあるいは狭いものなどは不良精子として分類しています
以下が空胞の多い精子です

2010年03月16日
IMSIとは
(IMSI)とは
intracytoplasmic morphologically selected sperm injection
の頭文字を取ったもので、日本語に直すと細胞質内に形態学的に選別した精子の注入と言う事でしょう。つまり精子(頭部です)を拡大して見て、形態学的に正常な精子を選別してICSI(顕微授精)を行うことです。通常の顕微鏡での拡大(X400)では、微細な精子の構造は良くわかりません。頭部に形態異状のある精子を用いての顕微授精では妊娠率の低下や、流産率が高くなると言う報告があり、出来るだけ形態正常の精子を選別する事が重要であると言う事がこの数年、この業界ではホットな話題です。そこでIMSIでは約X10000倍で頭部観察が出来、正常精子の選別が可能になりました。以下が、IMSIで拡大精子を観察しているところです

2010年03月15日
土曜に地方会ありました
先週の土曜日大阪市立大学の付属病院で日本生殖医療学会の地方会がありました。当院からも2演題を発表しました。
1、IMSIとICSIでのART成績の前方視的検討
2、体外受精不成功例(卵巣機能低下症)におけるDHEAの有効性について
以上です。明日以降どのような内容か数回にわたり解説していきたいと思います
2010年03月03日
甲状腺機能低下症
不妊症に対しては、月経不順の大きな原因になり不妊原因の1つになります。また卵巣への甲状腺ホルモンの直接作用もあり、低下状態は卵子の質低下も懸念されます。
潜在性の場合は極端な月経不順にはならないですが、やはり卵の質低下も懸念があります。それ以上に問題なのは妊娠した後です。妊娠中は母体だけでなく胎児にも多くの甲状腺ホルモンが必要となり潜在性では胎児の甲状腺ホルモンが不足になります。この結果、流産や早産のリスクが高くなるとの報告があります。また胎児の中枢発育にっ甲状腺ホルモンは必須で、不足の場合知能低下の報告もされています。不妊・流産・胎児発育の観点からも甲状腺ホルモンが妊娠前から出産までに充分量必要です
2010年03月02日
甲状腺機能検査
主な検査は甲状腺刺激ホルモン(TSH:下垂体から分泌され甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンの分泌促進する)と甲状腺ホルモン(FT4)の2つです。特に機能低下は先ずTSHが上昇します。つまり強く甲状腺を刺激して機能を維持している状態です。TSHが上昇してFT4が正常の状態を潜在性甲状腺機能低下症と呼んでいます。
2010年03月01日
3月に入りました
甲状腺の会もあり、甲状腺と不妊の関連性は古くて新しい話題です。何回かに分けて解説してみたいと思います。甲状腺の機能異常は男性に比して女性の方が断然多い事が良く知られています。不妊外来では圧倒的に機能低下あるいは潜在性の機能低下気味の人が多いです。意外ですが機能亢進症は少ないですね
2010年02月07日
データアップ
2009年の不妊治療の統計がほぼ終わり、サマリーを院内掲示しました。早々にはホームページにアップ予定ですので来院の際はご覧下さい

2009年11月24日
人口減少加速
9月の出生数が発表になりましたが前年比3463人の減少です。これはパーセントでは3.4%の減です。この調子で行くと年間2万人以上の減となります。団塊世代のジュニア世代の生殖期間も終盤になっていることから、恐らく、今後5年で10万人以上の出生減になるでしょう(今の出生数の10%減)。
本格的人口減少時代の幕開けですね
2009年11月08日
生殖こぼれ話
良く聞かれる事で、排卵は左右の卵巣で交互に起こると信じている人が多いようです。多くの人の卵胞のモニターをしていると、決して交互でない事に気づきます。これに関連した報告も多くあるので紹介します。年齢が若い人ほど左右の交互排卵が多く、30歳を越えると同側排卵が多くなるとの事です。生涯を通じては右からの排卵の方が多い傾向との事です。
これはHuman Reprod 16:2501,2001に詳細が掲載されています
2009年09月17日
ホームページ
先日の学会(受精着床学会)で、発表でした2題の要旨をアップしたのでご覧ください。
1つはTESE(精巣内精子採取術)-ICSIでの当院の成績について
もう1つは顕微授精前の卵子紡錘体の確認の有効性について
以上の2題です。無精子症にTESEが非常に有効である事がわかりました。
また、卵子紡錘体の確認の有無が妊娠率に影響があることもわかりました
2009年09月13日
続きです
登録施設で分娩報告されている割合ですが、
体外受精では実施施設540で分娩に至った施設414で、実施施設に対する割合は76.7%でした
顕微授精では実施施設409で分娩に至った施設305で、実施施設に対する割合は74.6%でした
凍結融解胚では実施施設451で分娩に至った施設339で、実施施設に対する割合は75.2%でした
何度も行ってますが、恐ろしい事に実施施設の1/4は実施すれども分娩に至らない不良施設と言う事です。
この事が、日本のART界の大きな問題である事は自明です
ちなみに兵庫では登録施設が31もあり、本当に驚きです
2009年09月12日
凍結胚では
凍結融解胚移植の総周期は43552で妊娠数は13964、妊娠率は32.1%でした。流産率は25.1%で、結局週整数は9257名となっています
2009年09月11日
新鮮胚の成績
採卵件数は、体外受精50836、ICSI51998・・・その他含めて、合計で112459件ありました
移植件数は、体外受精27729、ICSI28504・・・その他含めて、合計で60260件ありました
妊娠数は、体外受精7313、ICSI6284・・・その他含めて、合計で15200件ありました
移植当たりの妊娠率は、体外受精26.4%、ICSI22.0%・・・その他含めて、合計で24.4%でした
また全体の流産率は23.8%でした
2009年09月10日
2007年度の成績公表されました
日本産婦人科学会が、2007年度のARTの成績を公表しました
出生数は新鮮胚では10238(体外受精5144+顕微授精5194)、凍結融解胚で9257で合計19595名となりました。2008年は年間2万人越えになるのでしょうね。明日以降詳細を、書き込みします
2009年09月06日
ESHRE(ヨーロッパ不妊学会)での最新PGD報告
最新のPGD(着床前診断)の報告(第9回)があったので、簡単に紹介します。採卵数は5858周期で、1437周期に妊娠が成立し、出生児は1206名でした。何らかの染色体異常の確認で行われたのが1958、高年齢や習慣性流産などのスクリーニングで行われたのが3900でした。全体では妊娠率は移植当たりで全体で24%、流産率が14%でした。感想としては、以前私自身が思っていたほど、妊娠率も高くないし、意外に流産率も高いと言う点でした
2009年08月13日
遂に保険化か?
民主党のマニュフェストに不妊治療の保険化が明記されるらしいです。恐らく政権交代になるので、この政策が実行される可能性は相当高いでしょう。治療中の方には吉報になるかもしれません
2009年08月11日
少し間が空きました
先日の論文紹介が終わっていませんでした。学会など色々ありましてアップ出来ませんでした。久方に再開したいと思います。医療費に対するARTコストの割合ですがアメリカ0.06%、カナダ0.07%、イギリス0.13%、スカンジナビア0.19%オーストラリア0.25%そして日本は0.09%となっています。高額医療のように見えますが、医療費全体から見ればわずかで、このレベルの負担なら保険化してもそれほど財政的には苦しくないように思えますが、如何でしょう?
この10年余りでも出生数が10万人くらい減少しているので、それに支払った分娩育児金も減少しています。その分だけで十分ARTの費用はまかなえる計算になるのですが、誰もこの点の出張している人はいませんね
2009年08月10日
もう1題
先日発表のもう1題です。これを見るとけっこうTESE-ICSI(精巣精子を用いた顕微授精)やってますね

2009年08月03日
生児出産当たりの費用
ART周期における生児出産当たりの費用の国際比較です(自己胚のみでドナーや代理母などは含まれていません)。
アメリカ41,132、カナダ33,183、イギリス40,364、スカンジナビア24,485、オーストラリア25,843
そして日本は24,329(220万円くらい)
もちろん以上の数字はドルです。ヒト1人という事でしたら、これくらいの費用がかかるのは当然かもしれません。子供を個人の所有物的に見るのか、あるいは公の共有物とみるかによって(もちろん子供は物ではありませんが)、このような大きな負担を誰が負担するのかが決まってくるのではないでしょうか。残念ながら日本では子供を社会の共有財産という考えが無いから、どうしても個人に依存した負担と言う事になるのでしょう。
考え方の根本を変えなければいけませんね
2009年08月02日
実施頻度は
人口100万当たりの実施頻度の国際比較ですがアメリカ373、カナダ311、スカンジナビア1465、オーストラリア1574、そして日本は約900です。 米、カナダとスカンジナビア、オーストラリアのちょうど中間くらいの頻度です。治療費の自己負担が大きい北米は治療を受けたくても出来ないのでしょうね。恐らく、スカンジナビアでは公的補助も大きいので実施頻度が高いのでしょう。日本でも保険化か、もう少し公的補助がなされればスカンジナビア並みの頻度になるのでしょうね
2009年07月31日
昨日の続き
昨日のコストは所謂、通常の体外受精(初期胚移植)のみの金額です。オプションとなる
顕微授精、アシステッドハッチング、胚盤胞培養そして胚凍結・融解胚移植のコスト比較をします(各国の後の数字は前記の順のコストです)。
アメリカは1,626、705、379、3,035、カナダ1,172、349、247、2,380、
イギリス1,339、675、678、1,560、
スカンジナビア614、339、458、1,347、
オーストラリア469、207、508、1,648
そして日本は860、271、632、1,108となっています。
以上の数字はもちろんドルです。各国のコストは高いですが、日本も結構高いように思いますね(当院と比べると)
2009年07月30日
各国のARTの費用は
今日は費用比較です。新鮮胚移植の周期では、アメリカ12.513ドル、カナダ8,500ドル、イギリス6,534ドル、スカンジナビア5,549ドル、オーストラリア5,645ドルそして日本は3,956ドル
日本の値段は今のレートでは35万円くらいですかね。明日は顕微授精、凍結、アシスッテドハッチングなどのコストも書き込みたいと思います
2009年07月29日
多胎率ですが
昨日移植胚数が欧米が多いと言いましたが、現に2003年の多胎率(新鮮胚移植)のデータではアメリカ34.2%、カナダ31%、イギリス25.6%、スカンジナビア18.1%、日本17.1%そしてオーストラリア20%でした。アメリカは本当に多胎が多いですね。日本とスカンジナビアは同レベルの多胎率ですが、開始周期当たりの生産率はスカンジナビアは日本の1.5倍あるので、やはり日本でのARTの質の問題は大きいですね
2009年07月28日
何故、成績が悪いのか
これには2点あると思います。1つは日本での少数ART実施施設の多さです。少数実施施設の妊娠率が悪いと言う事は周知の事実です。何んと全体出の施設数は600近くあり世界一です。それも年間100件以下の実施しかしていない少数実施施設が2/3を超えています。この点は以前より指摘されている事です。
2つ目は移植個数などが欧米(特にアメリカ)に比べ、、自己規制が行き届いているのか少ないと言う点です。ちなみにアメリカでは3個以上の移植も稀ではありません。やはり移植個数が有る程度多い方が妊娠率が高くなるのは言うまでも無い事でしょう
2009年07月26日
この前の論文紹介の続きです
各国の治療成績ですが開始周期当たりの生産率で表記されています。つまり体外受精のエントリーを基準に生まれた率と言う事です(排卵誘発途中で終わった場合や、採卵0、あるいは発育不良で移植できなかった症例も含みます。当然異移植当たりよりも低い数字になります)。アメリカ28.4%,24.2%、カナダ23.9%,16.1%、イギリス22.8%、15.5%、スカンジナビア21.5%、13.6%、オーストラリア17.6%,13.7%そして日本ですが13.0%,17.0%と他の国と比べると残念ながら低い数字になっています。ちなみにこれは前が新鮮胚移植で、後は融解胚移植の成績です。
日本得意の融解胚の成績はまだ他の国に対抗できているように思います
2009年07月23日
兵庫も
兵庫県も、本年の4月にさかのぼり特定不妊治療の補助額が10万から15万円に増額が決まりました。
出来れば20万円くらいの補助が望ましいと思います
2009年07月20日
論文紹介
最近に出た論文で興味深いのがあったので紹介します。Fertil Steril2009:2281-2294に書かれています。内容は世界各国での体外受精の成績、費用対効果、実施状況、規制、政策に関するものです。
先ず費用(体外受精の新鮮胚移植)に関しての各国比較ですが(ドル表示)アメリカは12,513、カナダは8,500、イギリス6,534、スカンジナビア5,549、日本は3,956そしてオーストラリアは5,645と日本の治療費が低いの目立ちました(アメリカの1/3以下)。しかし、後に出てくる治療成績を加味したら、単純に安いと思わない方がよいかもしれません。
PS:これは2003年の成績です
2009年07月19日
不妊要因数とAIHの関係は
2006-2008AIHした方で原因不明(不妊要因0)の妊娠率は19.2%、何らかの不妊要因が1つあった場合は13.9%に、さらに2つ以上あれば9.3%とおおよそ何も無い場合の半分になっていることがわかりました。複数の原因があると予想通りですが妊娠率は低下するんですね
2009年07月18日
成績は
体外受精のBMI別の移植当たりの成績ですが18.5未満では37.8%(流産は13%)、18.5-22では34.8%(流産は21.3%)、、22-25は25%(流産は28.8%)そして25以上では25.7%(流産22.2%)となり、やはり痩せている人の成績が良いですね。しかし、タイミングやAIHと異なり25以上の流産が少ないのは意外です。この妊娠には化学妊娠(妊娠反応が出て直ぐに流産するような妊娠)が入っていないので、これを含めたらどうかの検討してみたいと思います
2009年07月17日
BMIの続き
体外受精とBMIの関係もみてみました。BMIの分布は18.5以下が15.5%(タイミングは23.8%)、18.8-22は54.3%(タイミングは59.7%、正常の中でやや太り気味の22-25は22.6%(タイミングは13.5%)、25以上は15.5%(タイミングは3%)と体外受精されている患者さんが、タイミング(治療間もない患者)と比べ、少し肥満傾向である事がわかりました
2009年07月12日
タイミングでは
タイミング療法での(2007-8)でのBMI分布は18,5以下が23.8%、18.5-22が59.7%、22-25が13,5%そして25以上は3%でした。タイミング療法はほぼ来院間もない方の治療と考えたらよいと思います。人工授精は来院しばらく経過した人が多いでしょう。人工授精の場合よりもさらに痩せている方が多い傾向にあるのがわかります。妊娠率ですが、周期当たり14.5%、13.6%、11%そして
5.3%とBMIの上昇と共に低下し特に25以上の妊娠率は低いです。
また流産率は9.1%、13.6%、5.3%そして50%と25以上はやはり高くなっています
2009年07月09日
一般的な分類では
一般的にはBMIは18.5以下が痩せ型、18.5-25が正常、25以上が肥満(30以上を高度肥満)と分けているので、これでAIHの成績を(2006-8)再度分類しました。
分布は痩せ型が20.1%、正常やや痩せ型(18.5-22)は55.6%、正常やや肥満型(22-25)は17.0%そして肥満型7.3%でした。痩せ型とやや痩せている方で3/4を占めています。このこと事態は悪くは無いですね
2009年07月07日
BMI別妊娠率、流産率
人工授精でのBMI別妊娠率(周期当たり)はBMI20以下で14.5%、20-22では13.6%、22-25は12.9%、25-30は12.0、そして30以上で10.7%と痩せている人の妊娠率が高い傾向があります。また流産率はそれぞれ13.7%、18.4%、7.3%、38.5%、そして33.3%BMI25以上では非常に高い流産になっています。
つまり肥満になれば(BMI25以上)妊娠しにくく、流産しやすいと言う事になります
(2006-2008年のデータです)
2009年07月06日
BMIでの分布
2006-2008年の間に人工授精した1948周期の中でBMI20(160cmで51.2Kg)以下の割合は43.8%、20から22(160cmで56.3Kg)は32.8%、22から25(160cmで64Kg)は16.4%、25から30(160cmで76.8Kg)は5.5%、そして30以上はわずか1.4%でした。20以下は結構痩せていると思うのですが、半数近くがこの中にはいると言う事は想像外でした。みんな痩せているんですね
2009年07月05日
データ分析について
先日、データ分析していると言いましたが、いままでは単純な妊娠率などが中心でもう少し突っ込んだものはありませんでした。BMI(痩せ~肥満の基準:体重Kg/身長X身長m)での不妊外来の分布を調べるとタイミング療法から人工授精まで傾向的にはBMIが20以下の割合が多い事を知りました。これは意外ですね。近年、若年者の痩せが問題になっていますが、このことが事実である事がわかりました。
2009年06月22日
昨日の追加
体外受精への補助が15万円に増額する話は、大阪だけではないようです。どうも全国的なことのようですが、議会で承認されたのが大阪と言う事のようです。早急に西宮、兵庫県の議会もこの事案を通すことを切に願っております
2009年06月21日
大阪府の特定不妊治療費助成制度の変更
いままでは年間10万円X2回の補助が出ていたのが、今年度からは1回15万円にアップしたようです。これで年間の補助は20万から30万円になったようです。補助の期間は5年間、また所得の制限も730万円(夫婦合算+可処分所得)と従来通りです。これは大阪だけでしょうね。兵庫は従来のままのようです。
早々に兵庫もアップしてほしいですね
2009年05月29日
これでこの論文の事は終わります
まとめとしてはPOFの治療としDHEAは、有効な治療である。投与量は50mg(1日量)でほぼ十分。投与期間は2-6ヶ月で妊娠が確認された時点で終了となる。現在において多くのPOFの患者に投与中である。また何らかの副作用の出現も認めていない
2009年05月28日
更なる続き
論文中の症例報告をします
症例1)年齢は37歳、FSHは102でDHEA63日投与後、FSH18.9に減少し、自然妊娠し帝王切開で分娩にいたる
症例2)年齢は35歳、FSHは112で、12ヶ月無月経状態であった。DHEA投与後1ヵ月後にはFSHは30に低下(最終的には12まで低下した)、2ヵ月後に月経が再開し、3ヵ月後に自然妊娠にいたる
症例3)年齢は35歳、FSHは40で2回の人工授精と1回の体外受精後であった。DHEA投与後FSHは
12.5に低下し人工授精で妊娠にいたる
症例4)年齢は38歳、FSHは30で、DHEA2ヶ月投与後、自然妊娠したが、流産という結果になった
症例5)年齢は40歳で、DHEA導入時のFSHは45であった。DHEA2錠(50mg)3ヶ月投与したが低下しなかったので3錠に増加した所、1ヶ月でFSHは14に低下し、妊娠にいたった
2009年05月27日
続き
論文はFertility and Sterility 644-646 2009です。その題名はPremature ovarian failure(POF) and DHEA(若年性卵巣機能不全とDHEA)です。
内容を紹介していきます。POFとは40歳以下で2次性の無月経(元々は月経があった人が、後に無くなる)か稀発月経(数ヶ月に1回の月経周期)になっている人です。頻度はこの年代の女性の1-5%で、この状態になる原因としては遺伝性、医原性、ウイルスの感染、自己免疫疾患などが挙げられます。基本的に卵胞数が減少し、あたかもほぼ閉経に近い状態になっています。POFへの不妊治療は色々な方法が試行錯誤していますが効果が出ていないのが現状です。欧米での主力の治療はegg donation(他人から卵子をもらう)で卵子得て、それで体外受精して自分自身の子宮に移植するというものです。今回この論文ではegg donationを希望した患者5名にDHEA治療を先行して行って、妊娠に至った事を紹介している内容です
2009年05月26日
論文紹介
DHEAに関する論文を紹介します。論文紹介の前に先ずDHEAとはどういう物質か説明します。Dehydroepiandrosterone(DHEA)と言う物質です。この物質は生体内で生成されています。生成場所は副腎皮質(腎臓の上にあります)と卵巣の外側のtheca cellです。
DHEAはコレステロールから作られ、さらにDHEAから男性ホルモン→女性ホルモン(エストロゲン)が作られます。DHEAは加齢とともに減少する事が知られています。
①DHEAが減少するとエストロゲンが減少し卵巣機能を低下させます。また②DHEAの減少はIGF-1(insulin|-like growth factor-1:卵胞刺激ホルモンの卵巣への効果を増強するホルモン)を減少させ卵胞の発育を阻害します。①。②からもDHEAが不足していると思われる人に補充すると卵巣機能の回復が期待されると言う事です
2009年05月24日
入荷しました
DHEAというアンチエイジングで内服しているサプリメントを入荷しました。このサプリメントは卵巣機能低下の人に効果があることが報告されています。明日以降少しこのサプリメントに関して書き込みしたいと思います
2009年05月19日
最高齢妊娠記録(イギリスでの)
イギリスで66歳女性の体外受精による妊娠が明らかになりました。もちろん、ドナー卵子を使ってのことです。この年齢は同国の記録(世界記録はインドの70歳らしいです)で、母子の安全面からも不妊治療に年齢制限を設けることの是非がホットな論議を呼んでいるようです。50歳位で不妊治療の限度と考えているドクターが多いようです。子供が成人になったときに親が生存していない可能性が高いと言う事も反対の理由の1つのようです。患者の全ての希望に沿うべきなんか、母子の安全や生まれてくる子供の将来も考えるべきなのか難しい問題ですね。ただし日本の場合はドナー卵子の使用を認めていないので上記の問題はあまり切実ではないです
2009年05月15日
1/4マニュアルなし
体外受精の実施施設で、不妊治療の安全管理のためのマニュアルを整備していない施設が全体の1/4(25%)になることが15日、厚生労働省の調査で分かりました。複数患者の受精卵を同時に扱わないことはほとんどの施設で徹底していたようですが、取り違え防止のため必ず複数のスタッフで「ダブルチェック」をしていない施設が16%にのぼったとのことです。ま、これが現状でしょうね。体外受精の実施施設の30%近くが実際、治療して妊娠分娩まで至っていない事を考えれば、納得するニュースです
2009年04月03日
2008年の成績
全体の妊娠数は2002-2003年に微減したのに続いて、開院以来2度目の前年比割れとなりました。減少の大きな要因は移転で約1ヶ月近く診療を中止した事が反映していると思います。各治療別の妊娠数はほぼ例年と同じでタイミング、人工授精、体外受精がほぼバランスよくなっていると思います。
人工授精は治療周期数が増えた為、妊娠数が増加しました。体外受精の妊娠率は約30%(移植当たり)で、前年より約20%弱の低下です(2007年は約37%)。この大きな要因は移植数の制限にあると思います。1個移植(SET)の移植全体に対する比率は2007年-2008年を比較すると、約2倍に増加しています。やはり2個移植と比べると1個移植の妊娠率が若干下がるのは致し方ないことかもしれません。この傾向は当院だけでなく全国データでも同様です。ただ、若干の妊娠率の低下はありましたが、多胎妊娠率を12%→7.1%と低下させる事が出来、クオリティーの高い医療を目指している当院としては、大変喜ばしい事でした。今後は、妊娠率を高い状態に維持しながらも、さらなる多胎率の低下を今年度も目指して行きたいと思っています
2009年03月15日
レーザーリプロ学会
今日東京でレーザーリプロ学会があり、そのシンポジュームに呼ばれて発表してきました。久々の東京(水道橋)で少々疲れました。詳細は後日報告します

2009年03月01日
中国では
中国の卵子提供は原則体外受精を行った患者のみ対象です。採卵時に15個以上採取された場合、つまり16個目以降の卵子が提供の対象です。アメリカとは異なり商業目的の卵子や胚の売買は禁止されており、この事は厳密な法で規制されているらしいです。現実的には、体外受精実施の患者自身の卵子提供を了解する人は少ないとのことです。
提供卵子
先ほどテレビのニュースを観ていると、アメリカでは不況の影響で卵子提供が激増しているとのことでした。もちろんボランティアではなく、商業目的での提供です。1回での提供で約100万円くらい支払われるとのことです。それに比べ精子提供は増えていないらしいです。精子提供で支払われるのはわずか5000円程度で、さすがに不況でもこの程度の利益目的での提供は増えないのでしょう。いずれにせよ、さすがドライなアメリカならではのニュースです。日本ではもちろん法整備も出来ていませんが、最近、友人や姉妹らの卵子提供が話題になっていました。個人的意見を言えば友人や姉妹からの卵子提供は、色々後から問題が出てくるのは必定であると思います。それに比べると全く個人的関係ない他人からの提供の方が、問題は少ないと思います。ただボランティアで他者から提供が可能かと言えば不可能でしょう。
2009年02月19日
リスクマネージメント
今日、香川の病院で受精卵の取り違え移植がされたとの報道がありました。間違いは、同時に2人の受精卵の処理を同一にした為らしいです。受精卵を培養しているシャーレの蓋にのみ名前を書いていたとも報道されています。これは根本的に管理はなっていません。先ず、同時に同じ場所で複数の卵子、精子、胚の処置は禁忌でしょう。確実に1人1人の処置をすべきです。またシャーレの蓋のみに名前を書くのは蓋の取り違えのリスクがあるので、当然シャーレ本体の底にも名前を書くべきです。また、どの作業もダブルチェックで確認しながらの作業も必須うです。当然当院でも上記の管理はしていますが、万が一の間違いを起こさないよう、心して作業に従事したいものです
2009年02月10日
その理由は?
肥満が精子状態の悪化を導く理由は、脂肪の増加による女性ホルモン(エストロゲン)の増加ではないかと考えられています。つまり女性ホルモンの増加→中枢から睾丸を刺激する→FSH,LH(外来で良く検査しています)分泌の減少→男性ホルモンの減少→精子生産の減少するという流れになっているのでしょう。
以上がこの論文(Fertility and Sterility Vol.90,No.6.2008)の要旨でした
2009年02月09日
続きです
さらに男性の肥満は運動性の弱い精子をもつ方の頻度を増加させます。その頻度はBMI25以下で4.3%、25-35で8.9%そして35以上では13.3%になっています。またED頻度も肥満と相関関係が知られています。ED頻度はBMI25以下では6.4%、25-35では7.7%、35以上では9.4%に増加します。
to be continued
2009年02月08日
論文
今日、肥満と精子数に関する論文を読みました。以前からも指摘されているように肥満と乏精子症の間に関係深いと言う論文でした。BMI(体重/身長X身長 X100)が25以上(25はだいたい170cmで70Kg)では乏精子症の頻度が増加すると言う事です。乏精子症の頻度はBMI25以下で5.3%、25-35(過体重)で9.5%そして35以上(肥満:だいたい170cmで87Kg以上)では15.6%になっています。
2009年01月26日
カフェインの妊娠中への影響
カフェインは以前より、胎児発育に影響を及ぼす事が知られていましたが最近イギリスで、より詳細にこの点の調査がありました。コーヒー1杯(カフェイン100mg)以上コンスタントに妊娠中に摂取すると数10gの体重減(もちろん胎児の事です)が認められたとの事です。これはカフェインの摂取量に依存して体重は減るようです。従って、従来英国食品基準局(FSA)での妊娠中のカフェイン摂取の基準量は300mg(コーヒー3杯)でしたが、200mgに引き下げたとの事です。またカフェインは不妊の原因にもなる事も知られています。妊娠希望あるいは妊娠中の方はカフェインの摂取はほどほどにしたほうが良いです。
2008年12月21日
生殖医学会の方針
先日ニュースでもご存知の方が多いと思いますが、生殖医学会でドナー精子、卵子を認めようというものです。兄弟姉妹、友人などもみとめると言う事です。精子に関しては既に人工授精(AID)で認められており、体外受精の場合だめと言う事は、全く整合性に合わないと思います。卵子に関してはボランティアから無償と言う事が言われていますが、これではドナーは現れるとは思えません。現実問題で言うなら、若干の商業性も入れないと無理でしょうね。
いずれにせよ、日本では法整備が無いので、やろうと思えば何でもありです。
2008年12月20日
日本の着床前診断の成績
皆さんもお分かりの事と思いますが、着床診断は分割した受精卵の1つの割球(例えば8細胞胚の1つの細胞-割球のことです)、を取り出し、色々な病気の遺伝子の有無などを調べる検査です。常識的にはこの検査をして、正常な受精卵の確認をすれば、通常よりも高い妊娠率(低い流産率)になると考えられますが、残念ながら日本での成績は逆です。2005-2008年の実施デ-タによれば、64件実施して妊娠は10件、つまり妊娠率は20%にも満たないと言う結果です。これの多くの原因は技術的な問題が大きいと思います。正常の分割卵から1つの割球を取るときに何らかネガティブな影響を及ぼしたのでしょう。
海外でも同様な結果が出ています。何よりも技術の向上が望まれます。また、この検査を万能と過信して、安易に行うのは慎んだ方が良いと思います
2008年11月12日
凍結胚移植によるIVFで児の先天性奇形リスクは上昇しない
ヨーロッパ生殖学会(ESHRE)で上記タイトルの報告がありました。以下に要旨を書きます
〔スペイン・バルセロナ〕コペンハーゲン大学病院Rigshospitalet(デンマーク・コペンハーゲン)のAnja Pinborg博士は,凍結融解胚移植で生まれた新生児は,新鮮胚から生まれた小児よりも出生体重が大きかったと報告した。また母親の妊娠期間は長くなっていたが,児の先天性奇形リスクは上昇しないという。
神経学的後遺症のサブ解析はこれから
Pinborg博士らは,1995〜2006年にデンマークで凍結融解胚移植後に生まれた児1,267例を調べた児と,同期間に新鮮胚を使ったIVF/ICSIにより生まれた1万7,857例を対照群とした。
不妊カップルは胚を凍結することで,1回の採卵で数周期のIVF/ICSIを試みることが可能となる。凍結胚は後日融解され,排卵の3〜5日後に,新鮮胚と全く同様の方法で子宮に移植される。この技術により,卵巣刺激と採卵回数を少なくすることができる。
同博士らによると,凍結融解胚移植群の多胎妊娠率は同等(ICSI 11.7%,IVF 14.2%)だったが,新鮮胚群では多胎妊娠率がかなり高かった(ICSI 24.8%,IVF 27.3%)。母親の年齢は凍結融解胚移植群で有意に高かった。妊娠期間は,凍結融解胚移植群の方が有意に長く,出生体重は凍結融解胚移植群で約200g多かった。低出生体重の比率は逆に有意に低く,早産率も低かった。
特に重要なことは,FER群で先天性奇形リスクの上昇が認められなかったことである。FER群の先天性奇形発生率は7.1%,新鮮胚群では8.8%であった」と説明。「凍結と融解が及ぼす影響について過去に懸念が表明されてきたが,今回の研究はその不安を払拭するものである。 さらに,同博士は「今回の知見はわれわれを安心させてくれるものである。しかし,凍結融解胚移植において先天性奇形との神経学的後遺症に関するサブ解析はまだ行われていない。今回のポジティブな結果が今後も維持されれば,凍結融解胚移植は全く安全な方法として受け入れられ,現在よりももっと頻繁に行われるようになるであろう」と結んだ
2008年07月16日
データ整理中
今、タイミング療法などの一般不妊治療のデータ整理をしています。次回のセミナー時には公表して、詳しく解説するつもりです。お楽しみにしてください
2008年07月14日
日本生殖医学会の見解
以下は2007年に出された生殖医学会(旧不妊学会)の移植胚数の見解です
多胎妊娠防止のための移植胚数ガイドライン
日本生殖医学会倫理委員会
日本生殖医学会は、近年の生殖補助医療の進歩とわが国における多胎妊娠数の著しい増加に鑑み、倫理委員会において多胎妊娠防止のための移植胚数に関するガイドラインを検討してきました。わが国および諸外国における治療成績などを検討した結果、このたび以下の様な結論に達しましたので、報告いたします。
1,体外受精などの胚移植においては、日本産科婦人科学会の見解どおり、移植胚数を3個以内とすることを厳守する。
2.多胎妊娠のリスクが高い35歳未満の初回治療周期では、移植胚数を原則として1個に制限する。なお、良好胚盤胞を移植する場合は、必ず1胚移植とする。
前項に含まれない40歳未満の治療周期では、移植胚数を原則として2個以下とする。なお良好胚盤胞を移植する場合は、必ず2個以下とする。
3.移植胚数の制限に伴い、治療を受けるカップルに対しては、移植しない胚を凍結する選択肢について、各クリニックにおいて必ず提示することを求める。
2008年07月13日
移植数の学会見解
本年4月に学会(日本産婦人科学会)の見解が出ましたので以下に原文を載せます
生殖医療の胚移植において、移植する胚は原則として単一つとする。ただし、35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性については、2個移植を許容する。治療を受ける夫婦に対しては、移植しない胚を後の治療周期で利用する為に凍結保存する技術のあることを、必ず提示しなければならない。
平成20年4月12日
2008年06月25日
また産み分け相談
昨日もメールでこの件の相談を受けました。今まで何回も発言してきましたg、産み分けは簡単に出来るものではありません。ピンクゼリーもパーコール法も効果は無いです。この近隣にも産み分け出来ると言っている施設もありますが、全く信じられません。有効性が本当にあるなら、きちんと結果の報告をすべきです(している施設はありません)
2008年06月05日
6月2日の計算式に役立ててください
英語がわかりにくいと言う意見もあるので、少し訳しました。参考にしてください
少し順不同です。悪しからず
Has a postcoital test been performed?
性交後テスト(フーナーテスト)を受けたことがありますか?
This probability is not reliable in case of
以下の場合、この確率は信頼できません
Men with severe male factor
(Total motile sperm count = volume x concentration x % motility < 3milion)
重度の男性不妊
(全運動精子が300万以下=精液量X運動率)
Women with 2-sided tubal pathology.
両側卵管に病的なことがある場合(閉鎖のことでしょう)
Has a postcoital test been performed?
性交後テスト(フーナーテスト)を受けたことがありますか?--
Percentage progressive motile sperm?
直進精子の比率(運動精子中)
Women with ovulation disorders
(女性に排卵障害がある場合)
Female age
(女性の年齢)
Duration of subfertility in years
(不妊期間の年数)
Previous pregnancies (in current or other partnerships)?
(妊娠したことがありますか? それは今の相手ですか、以前の相手ですか。)
Referred by:
(どこで受診した診断ですか)
General Practitioner or own initiative
(家庭医または、自己診断)
Gynecology or other specialty
(婦人科または、その他の専門医)
Diagnosis of of one sided tubal pathology on HSG?
(卵管の子宮卵管造形検査で診断を受けましたか。)
Diagnosis of one sided tubal pathology on laparoscopy
(卵管の腹腔鏡手術で診断を受けましたか。)
■計算結果ページ
The calculated probability of a spontaneous ongoing pregnancy within one
year is XX%.
(1年に自然妊娠する可能性はXX%と算出されました。)
投稿者 jart : 22:19 | コメント (462)
2008年06月02日
1年以内での妊娠率は
http://www.freya.nl/probability.php左記のアドレスにエントリーしてみてください。オランダで38施設で種々の不妊にかかわる要因(フーナーテストの有無、年齢、既往妊娠の有無、運動精子率、卵管造影、腹腔鏡など)を考慮して、今後1年の自然妊娠率を計算する式を作り出しています。皆さんも1度試して、どの程度の妊娠率になるか計算してみてください
2008年05月31日
イタリアの法規制
イタリアでの法規制では(2004年以降)、最大3個までしか卵子の受精は制限され、さらに受精した受精卵全て移植しなければならないということになっています。また凍結融解胚は禁じられています。もちろん卵子提供も不可です。
さすがカトリックの国ですね
2008年05月30日
ベルギーの保険制度
42歳以下でART6周期まで保険の適応があります(42歳以上は適応が無いと言うことです)。移植胚数も制限され35未満では初回移植は1個、2周期目は1から2、3-6周期は2個移植、35-39歳では1,2周期は最大2個、3-6周期は最大3個、39-42歳は移植胚数の制限はありません。凍結融解胚は年齢に関係なく最大2個までとなっています。一方イスラエルでは2児の出産まで回数制限無く保険適応されている国もあります
2008年05月29日
世界のART事情
体外受精の実施施設数は、日本が最大で約600、アメリカは約400、フランス、英国は約100で、日本は施設数では世界一です。イタリアは315で人口当たりでは日本を上回るかもしれません。
その他の国はせいぜい100施設以下で、世界から見れば日本の施設数は突出してます
PS:少し時間が出来たので、昼間に2日連続テニスしました。本当に蒸し暑かったです。
2008年05月28日
ICSI(顕微授精)での出生後調査
ICSIでの出産後の10歳での認知運動レベルを調査した人がいます。ICSIの児109名と自然妊娠90名の比較です。いずれも認知、運動能力の点での差は認めなかった。
また8歳時での時点の調査ではIQは、ICSIの児が少し優れていたと言う結果になっています
これはHuman Reprod.2008;23(1):105-111に書かれていた内容です
2008年04月22日
研究会
公式外来最終日(4/19)の後、不妊と甲状腺研究会と言う会がありました。私がMCをして、阪神間の20名ほどの専門医が集まりました。特別講演では隈病院の顧問(前大阪大学教授)の網野先生(この分野の世界的権威)にお願いしました。甲状腺機能が妊娠にいかに大事か、いまさらながら再認識しました。これからもこういう会を主催して少しでも日々の知識の向上に努めたいと思います
PS;明日は引越しです。気合を入れて臨みたいと思います

2008年02月28日
2007年の不妊治療成績アップしました
ホームページにアップしましたので、どうかご参照下さい。どうも今日で冬も終わりみたいですね。散歩もずいぶん暖かくなりました。
2008年02月15日
こんな記事ありました
日経に以下の記事がありました。やはり民間企業はフットワークが軽いですね
日産、不妊治療も有給対象に・新休暇制度を導入
日産自動車は13日、従業員の育児や介護など家庭での務めを支援する「ファミリーサポート休暇」を4月から導入すると発表した。育児や介護、結婚、配偶者の出産、不妊治療を目的に年間有給5日、無給7日の休暇取得を可能にする。不妊治療を有給休暇の対象とするのは日本ではまだ珍しく、従業員の需要を調査して使いやすい制度としたという。
従来は結婚と配偶者出産は有給5日、育児と介護は無給10日のみとそれぞれ制度が異なり、休暇日数も限られていた。同制度の導入と合わせ、育児休暇や時間短縮、在宅勤務など育児支援制度の利用時期を現行の小学校3年生までから6年生年度末までに延長する。
2008年02月14日
こんな論文ありました
携帯電話の使用は精子の質を劣化させる
オハイオ州の不妊治療クリニックを受診した男性361人が参加した観察試験の
結果、携帯電話の使用と精子の品質劣化の関連が確認されました。
著者は、携帯電話の使用は精子の数・運動・生存の低下や形態異常を介して
精子の品質を低下させると結論しています。どれくらいの時間かと言うと毎日4時間以上の会話です
原因としては携帯電話から出てくる電磁波ではないかと書かれていました
Fertility and Sterility, January 2008.
2008年02月13日
昨年のデータ
不妊治療のデータがまとまりつつあります。昨年の全妊娠数(臨床妊娠)は343例でした。化学妊娠(妊娠反応のみの流産)を含めると約400例となりました。内訳はタイミング療法(排卵誘発剤の使用含む)は135例、人工授精は91例、体外受精(凍結融解胚含む)は117例でした。詳細は、近日中にホームページにアップしようと思います。
2008年01月08日
ガイドライン
不思議ですが、産婦人科の治療等に今までなんらガイドラインはありませんでした。ようやく学会も必要性を感じたのか原案が出てきました。その中で妊婦へのインフルエンザワクチン接種への記載がありましたので内容を解説します。基本的には妊娠中どの時期でも接種には問題は認められ無いので、希望があれば接種はよいと言うことです。元々、インフルエンザ自体胎児に影響はないといわれていますし、ワクチン自体も不活化ワクチンでウイルス自体ではありません。理論上も安全でしょう。
従って、妊娠初期の方も出来るだけワクチン接種が良いと思います
2007年12月18日
移植個数
日本産婦人科学会では、移植個数を3個以内という会告をしていましたが、2個に制限すると言う方向でまとまったようです。既に移植個数は当院でも4年前から2個を標準とし、昨年からは1個移植(SET)へ移行中です。特に今年の後半は、半数以上はSETとなり、それなりの成績を上げています。来年早々には今年度の成績を公表できると思います。来年の多胎率は5%以下にしたいと思います
2007年12月13日
胚盤胞移植での男女比の解説
12/10の解説をします。2007年のFertility sterility 87,3;519によると胚盤胞の選択的単一移植での
男子/女子比は174(63.7%)/99(36.3%)と男子が多くなっています。しかし複数個の胚盤胞移植での男子/女子比は178(52.8%)/159(47.2%)と初期胚移植での男女比と変わらない結果になっています。
この理由としては男子になる胚は分裂スピードが速く(分裂が進んでいる胚のほうが一般には良好胚と判断します)、選択的に1つを選ぶ際は男子となる胚を選択する可能性が高くなるからではと、この論文で述べています。しかし、この考えなら複数個の移植でも男子が優勢になるのでは?と疑問に思います
2007年12月12日
Jamesの総説2
性交の頻度と性比に関係が有ると主張しています。頻度が多ければ男児、少なければ女児の傾向だそうです。これも引用論文を読んでどの程度性比に変化が生じるのか、後日報告したいと思います
2007年12月11日
Jamesの論文
この方は、出生児の性比に関して数多くの論文を書いています。2004年に総説を書いている論文(Human Reprod 19 ,6 1250:2004)が有るので紹介します。先ず序文では、性比は種々のホルモンに左右されていると言うことです。男性ホルモンや女性ホルモンが多い場合は、男児が多い。性腺刺激ホルモン(LHか?)、黄体ホルモンが高い環境では女児が多いとの事です。
人以外でも多くの哺乳動物で以上の傾向があるそうです
2007年12月10日
胚盤胞移植での男女比
昨日ネタ探しに、文献検索していましたら胚盤胞移植と男女比の関係に関する文献が複数見つかりました。どうも、胚盤胞移植での出生児は男児が多くなっていると言うことです。2003年のJ Assist Reprod Genet.2003 20(8):323-6によれば初期胚移植(培養3日目)での出生児の男女比(男子/女子)は157/139(53%/47%)と比較して胚盤胞移植では97/66(59.5%/40.5%)と有意に男子出生が増えているとの事です。これに同調する論文がいくつかあります。残念ながら文献検索では要旨のみ見ることができ、論文全体はわかりません。どのような理由でこのような結果になるのか、いくつかの論文を調達して解読した後に報告したいと思います
2007年12月09日
一休み
今日は日曜ですので、産み分けの話は休みとします。明日以降、期待してお待ちください
排卵日時期での男女比は?
これは以前から、経験的な話で排卵近くでの性交渉では女児が多いと言う説があります。
この点に関する論文も多く有ります。この点に関する5つの論文(1983-1998までの5つの論文)を取りまとめた論文(Human reproduction 14,2177 1999)があります。これによると、で排卵近く(排卵前2日前から排卵日時期)での性交渉での男女比は男:女=880:910=97:100とやや女児が多い傾向になっています。それ以上前(排卵3日前以上)での性交渉では男:女=2564:2223=115:110と男児がやや多い傾向です。これ自体男女比の差は小さいです。驚きかもしれませんが、排卵日が同定できるようになったのは、この20年そこそこで、それ以前は同定できていなかったのが事実です。従って、20年以上前の論文の信憑性はほとんど無いと思います。
また以上の5論文の内、最も新しい1998年の論文のデータでは排卵近くの
男女比は男:女=202:194、それ以前での
男女比は男:女=271:273と男女比に差が無いと言う結論になっています
2007年12月07日
母体年齢での男女比は?
以前から母体年齢の上昇に伴い男児の出生が多いのではと考える説がありました。2000年にHuman Reproductionという有名な論文に、この事が述べられていました。50年間のイギリスでの調査では、母体年齢に関わらず、出生の男女比に差がなかったという事です。
2007年12月06日
産み分けの基礎知識
この問題に関する問い合わせが以前より多数あるので、しばらく、この問題に関してしばらくの間書き込んで行きたいと思います。先ず、自然の状態で出生時の男女比は105:100と少し男児が多いことが知られています。この事実は国家や時代などの差が見られません(少なくとも、この40年に関してです)
また受精間もない時期での男女比は150:100と圧倒的に男児が多いとの事です
2007年09月30日
2005年度の報告5
では凍結融解胚に行きたいと思います。総移植回数は28699、妊娠数は9384(32.7%)、流産数は2260(24.1%)、多胎率は12.2%、出生児数は6530人でした
昨年より移植回数が4000件程度増加しています(体外受精は約400、顕微は約1700件の増加)
移植の主流になりつつありますね
以下が2004年の成績
移植回数は24323で妊娠数は7594(妊娠率は31.2%)となります。流産数は1766(流産率は23.3%)、妊娠当たりの多胎率は11.9%でした。ちょっぴりですが、これが1番妊娠率が高いということになります。
2007年09月27日
2005年度の報告4
次は顕微授精についてですが採卵数は42478、移植は28895で、妊娠数は7523名、移植当たりの妊娠率は26%、流産率は23.8%、多胎率は15.2%、出生児数は5502名です
昨年より件数は伸びてますね
以下が2004年の成績
採卵数は39822、移植は27172、妊娠数は7075、移植あたりの妊娠率は26.0%で、流産率は22.2%、多胎率は15.7%でした。出生児数は5373人です。
2007年09月26日
2005年度の報告3
いわゆる体外受精(顕微+融解胚除く)は29232回移植がおこなわれ、妊娠数8875名、移植当たりに妊娠率は30.4%、流産は21.9%、多胎率は16%でした。出生児数は6694名となりました
ちなみに以下は2004年の成績です。成績は横ばいですかね
採卵総数は39397、移植総数は28858で妊娠数は8514、移植当たりの妊娠率は29.5%、流産数は1815(流産率21.3%)、多胎妊娠数は1941(多胎率17.5%)、出生児数は6686人でした
2007年09月25日
2005年度の報告2
さらに顕微授精での妊娠・出産施設数は318(実施施設は361)、凍結融解胚移植は333(実施施設は435)と言う結果です。と言うことは、体外受精(通常の)、顕微授精、凍結融解胚移植の全て出来ている施設は318施設と言うことになるのでしょう(顕微授精できるところは、言うまでも無く普通の体外受精は出来るでしょう)
この3種類が出来るのが、ART施設の最低条件でしょう
2007年09月24日
2005年度の報告
日本産婦人科学会から2005年度の体外受精の成績が公表されたので、何回かに分けて報告します。
先ず登録施設は641施設、体外受精を実施した施設は552施設、妊娠出産した施設は457施設でした。
と言うことは184施設(642-457)、およそ30%近くは実質幽霊施設と言うことになります。
看板だけで実の伴わない施設が実に多いですね
2007年08月24日
送りました
やっと来週の学会発表の資料ができ、メールで送りました。これでゆっくり休めます
では、また明日
2007年08月23日
遅れました
遅ればせながら、今年半期の成績が出ました。タイミングの妊娠数は36名、排卵誘発は26名、人工授精51名、体外受精47名で合計は160名でした。これは臨床妊娠(ちゃんと子宮内に胎嚢が確認している妊娠)数です。化学妊娠を含めると180名を越えます。今年の目標は400名ですので後半は、かなりがんばって妊娠数を増やしたいと思います
2007年08月05日
一昨日の続き
肥満の方は無排卵症になっている人が多いですが、5-10%ダイエットだけでもかなりの割合で排卵の改善が期待できる。
出産に関してはBMI35以上になると、新生児死亡や未熟児出産の割合が増加するのが明らかなので、むしろ不妊治療するのではなく、避妊したほうが良いという考え方も有るとの事です
2007年08月03日
最近読んだ論文
肥満が不妊、妊娠に与える影響について総説的な論文があったので紹介します(Human Reproduction)
妊娠対する影響としてBMI(体重/身長X身長)が30以上(身長155cm、72Kgくらいの体格)あると無脳児の発生が3.3倍、その他の種々の奇形も数倍のリスクの増加が認められた。無脳児に関しては妊娠前から葉酸を摂取することで予防が出来る
以上から、肥満は妊娠にもマイナスですが、赤ちゃんへの影響もあり妊娠前に体重を減らすことは重要です
2007年07月22日
BBT(基礎体温)考
以前にも、述べてきましたが最近の新患の方で、これで悩んでいる人は多いですね。日々の体温の上下に一喜一憂してしまい、最終的に妊娠することと少し分離しているようです。体温は卵胞ホルモン(エストロゲン)で下降し(排卵前はこのホルモンが優位)、黄体ホルモン(プロゲステロン)が体温を上昇させます。排卵後の卵胞は黄体に変化し、黄体ホルモンを分泌させます。排卵は低温そうから高温そうの境あたりに起こりますが、日々の記録でリアルタイムの周期の翌日の体温の予想は無理ですので、BBTでタイミングを自己判断するのは無理です。これの記録によるストレスで月経周期の延長化が良く見られますので、そのような状態になっていればBBTの記録は止めるべきです
2007年07月12日
最近の気になる論文
着床前診断をすると、高年齢の女性の体外受精の成功率が低下するという論文(New England Journal:権威ある雑誌です)が発表されました。
着床前診断で事前に胚の染色体異常が明らかになることから高年齢の女性のIVFの成功率を改善できる可能性が示唆されていました。しかし実際、35-41歳の女性408人を対象に着床前診断した群と、しなかった群に分けて調べたところ、着床前診断群は206人中52名が出産し、対象群は202人中72名が出産となりました。着床前診断が妊娠に不利であるという事が明らかになった論文です。
2007年07月08日
人工授精
最近、何例かいわゆる婦人科クリニック(産院を含む)で数回人工授精を実施した後、当院に転院(もちろん紹介などで無く、自主的に転院した)され、当院で早々に人工授精で妊娠されました。当院の自慢をしているのではありません。多分専門クリニックにいけば同様の結果になったのではないかと思います。人工授精という処置は確かに婦人科クリニック(産院も含む)でも可能です。しかし妊娠する人工授精が出来るかははなはだ疑問です。これは中華レストランで、フランス料理を注文するのと同じでしょう。
不妊治療は決して産院や婦人科クリニックで行えるような診療でないことを少し心に留めておいたほうがよいと思います
2007年05月29日
あっという間です
日本での体外受精児が出産したニュースが新聞に載っていました。ついこの間、試験管ベイビー誕生の記事が載っていたのがつい昨日のように思います。人生老い易く学なり難しですね
2007年05月19日
昨日は書き込めませんでした
昨日は何故か、書き込みしようにも文字入力が出来ず失礼しました。今話題の麻疹について少しコメントしようと思います。先ず、妊娠中での感染の影響が有るのか無いのか、関心があると思います。奇形性に関しては無いと言われています。しかし、流産の増加や低出生体重児の傾向はあるとのことです
妊娠中に感染した場合、おなかの赤ちゃんに感染が及ぶ可能性があるので、γグロブリンという注射をして赤ちゃんへの感染を防ぐ方法があるとのことです。またワクチンは生菌を接種するので、妊娠中には出来ません。もし接種したら2-3ヶ月は避妊したほうが良いでしょう
2007年05月17日
解説2
下の表は右の列が年齢、真ん中が周期数、左が生産分娩率(妊娠-流産)を表してます。当たり前ですが36以上の生産分娩率が低いです
意見)当たり前のデータですが40歳以上の生産分娩率がが8.5%と高いですね。当院での40歳以上の制せと比べてもずっと良いです。ちなみに当院の成績はホームページにアップしていますが、対周期15%と開院以来最高の成績でした
さらにコストのことも書いています。クロミフェン-人工授精は500ドル、FSH-人工授精は2500ドル(アメリカでの排卵誘発剤は日本よりかなり高めに設定されています)、体外受精は7000-10000ドル
妊娠率とコストの関係を考えると、はじめにクロミフェン-人工授精し、その後のステップアップを体外受精がよいと書かれています
意見)FSH-人工授精はアメリカではコスト for パフォーマンスに見合わないのでしょうね。日本ではこれほど自己負担にならないのでFSH-人工授精はコスト for パフォーマンスに見合うと思いますが
2007年05月16日
解説していきましょう
上の表から行きます。1番左の列は治療内容、真ん中が妊娠率(対周期あたり)、1番右が多胎率です
何もしない(タイミング)は3-4%、人工授精のみ(排卵誘発なし)は4%、クロミフェンのみは6%、クロミフェン+人工授精は8-10%、FSH(注射)は10%、FSH+人工授精は15-18%となっています
人工授精に関わる妊娠率を左右する因子としては、精子の状態です。これが良ければ妊娠率は高いです
意見)当たり前の数字だと思いますが、日本でのものより高い傾向です。ちなみにIUIとはintarauterine inseminationの略で子宮内 授精つまり人工授精のことです。日本ではAIHと呼ぶことが多いですかね
2007年05月14日
明日解説します

2007年05月13日
来週からの教科書解説
来週からはAIHの項目に移りたいと思います。よろしくお願いします
2006年成績アップしました
2005年と比較して妊娠数は30人増えました。臨床妊娠数は279人、化学妊娠(反応のみで、子宮内に確認できなかった妊娠)を含めると300人を突破しました。特に目立つのは、人工授精の数が増加しまた、妊娠率も対周期あたり15%突破し、一般的な人工授精の妊娠率の1.5倍となりました
体外受精のほうも特に30代後半の妊娠率が著名に改善され、全体の対周期あたりの妊娠率も40%強と開院以来最高の数字になりました。
今後は、さらに妊娠率の向上に努めて行きたいと思います
2007年05月10日
レトロゾール
これはクロミフェンと同じように経口での排卵誘発に用いる薬です。商品名はフェマーラという薬です
この薬は乳がん治療の抗がん剤です。作用機序はアロマターゼという酵素の阻害剤です。アロマターゼはエストロゲン産生をする酵素ですので結果的にエストロゲンが減少し、FSHが上昇し排卵を促進します
クロミフェンの副作用である、頸管粘液減少や子宮内膜の非薄化はありません。
注)乳がん治療でこの薬を継続内服中の妊娠で奇形の発現の報告もあり、妊娠中には内服しないようとの注意があります(排卵誘発で使ってのことではありません)
2007年05月07日
クロミフェンと原因不明不妊
以前より、この薬は原因不明不妊に使われ、妊娠率がアップすると言う報告もあれば、逆もある。にもかかわらず、患者さんも医者もリーズナブルな治療と考えている。この治療は、他の治療と同様に、ほとんどの妊娠は最初の数周期のみである。従って、治療回数は3-4周期(3-4ヶ月)に留めるべきで、この段階で妊娠しないなら、他の治療法に変えるべきである
この治療での1周期あたりの妊娠率は6%である
意見)日本では、あまり専門的でない婦人科や産婦人科で漫然とこの治療を繰り返していることが良く見られます。
2007年05月06日
結果+妊娠率
クロミフェン1錠での排卵率は50%、2錠で22%、3錠で12%です。
意見:投与量が増えて、排卵率が低くなるのは、より排卵障害の方に使用しているからでしょう。そこそこの排卵率にも拘らず、40-50%の方しか妊娠していません。また1周期あたりの妊娠率は10%、多胎率は8-10%ほぼ全て双胎妊娠です
意見:これは少し日本の一般的なデータより妊娠率、多胎率共に高いと思います
クロミフェンで排卵しない場合の選択肢
1、1日量を増やしていく、最高1日5錠まで
2、メトフォルミンを併用(糖尿病の薬で、インスリンを低下させる)
3、デキサメサゾン併用(ステロイドホルモン)
4、hMGの注射追加
2007年05月05日
量と投与法
この薬は1錠50mgの量で、月経3から5日目が投与開始時期です(日本では5日目スタートがスタンダードですが)。1日投与量は250mg(5錠)が限界量となっています(アメリカではこの量が限界量のようです・日本では3錠が限界です)
ただし、ボストンIVFでは3錠が限界で、効果がない場合は注射(FSH製剤)を付け加えるとの事です
2007年05月04日
副作用は
基本は偽低エストロゲン状態から来るものです。血管運動性に関係するもの、恐らくほてりなどかと思いますが10%の割合で、腹満観%、乳房の違和感2%、気分不良2%、視力症状2%頭痛1%の頻度で副作用が見られます。さらに、他の排卵誘発剤より排卵痛が強い傾向です。それと、この薬の内服中イライラも強いようです。上記に加え頸管粘液の減少や、子宮内膜発育不良は言うまでも無い事でしょう
クロミフェンについて
これは正確にはclomiphen citrateが正式名で、商品名としてクロミッド、セロフェン、フェミロンなどと呼ばれています。これは導入されて40年も経過しているとの事です。この薬は弱いエストロゲン(女性ホルモン)用の作用があります。視床下部のエストロゲンレセプターにくっついて、エストロゲンとそのレセプターの結合を阻害します。結果、偽低エストロゲン状態と視床下部が誤解し、結果視床下部から脳下垂体を刺激し、FSH,LH分泌を促進するということになります。これが、この薬の薬理作用です。半減期(体から薬が半分なくなる期間)は5日と結構、長期に作用している薬です。血中では投与後6-8週間くらい認められるということです。しかしこのように長期残留しているにもかかわらず、先天的な胎児への以上の増加は報告されていません
2007年04月29日
昨日のグラフ
グラフの解説します。男性側のリスクとして喫煙量1日15本以上、アルコール1週間で20ユニット以上(1ユニットがどれだけかはわかりませんが、とにかく多い量でしょう)、年齢45歳以上、女性側としては喫煙量1日15本以上、1日カフェイン7杯以上、体重70Kg以上、年齢35歳以上、social deprivation score60以上(社会貧困スコアー?ですかね、とにかく貧困のレヴェルが高いと言うことでしょうか?)
以上男性側3因子、女性側5因子が妊娠率の低下の要因として考えられます。もちろんグラフの横軸は期間で縦軸は累積の妊娠率です。男女あわせて8因子の内1つも無ければ○のグラフになります
この場合12ヶ月で83.3%の夫婦が妊娠すると言うことです。1つの因子があれば■になります。
つまり12ヶ月で71.4%の妊娠率です(28.4%は妊娠しないと言うことです)、2つの因子があればXです。3つなら△、4個以上ならひし形のグラフで12ヶ月の累積の妊娠率は38.4%の妊娠に過ぎないと言うことになります
2007年04月28日
明日解説します

2007年04月27日
カフェインについて
私自身あまり知らなかったのですが、カフェインの過剰摂取は妊娠率に影響があるようですね。摂取量に依存して妊娠率低下を招くらしいです。もちろん1杯や2杯では問題ないと思いますが。この本によると1日7杯以上から妊娠率低下を招くようです。ちなみに何が七杯か?です。おそらくコーヒーでしょうね。
これはお茶の2倍くらいのカフェイン量ですので、お茶ならこの倍くらいまではOKかもしれません。
ちなもに男性サイドへのカフェインの妊娠に関するリスクはないようです。むしろ精子運動率が増えるという報告もあります
2007年04月26日
妊娠への影響-タバコの影響について
これは以前から知られたことですが、喫煙は妊娠率を半分まで減少させます。この作用機序としては肝臓に作用して、ステロイドホルモンの産生を低下させる(女性ホルモンの材料)
卵巣へ直接働くとも考えられていますが、タバコの作用で卵巣への血流が低下して、卵巣機能の低下を招くこともあります
とにかく、妊娠を希望する人は禁煙を直ぐしたほうが良いと思います
ちなみに長期のタバコでの卵巣機能低下により、閉経するのが1-2年早まることが知られています
2007年04月24日
勉強してます
数日前、The Boston IVF Handbook of Infertilityという不妊の教科書を買いました。
これはBoston IVFというアメリカで有名な不妊クリニックが作った教科書です。
明日から、この本の中身をしばらく紹介したいと思います。お楽しみに
2007年04月16日
発表終わりました

午後4時に上記の題で発表しました。この2年間着床不全症例に事前のリンパ球移植の有効性についての発表でした。まだ症例数は少ないですが、体外受精の不成功例に対しては、2倍くらいに妊娠率が上がるという結果になりました。今後さらに症例数を増やして有効性の検討をしたいと思います
阪急電車で京都の国際会議場まで行きましたが(四条烏丸からは地下鉄)、帰りは帰宅のラッシュ時に当たった為、立ちんぼうで宝塚まで帰ってきました。日ごろ車ばかりで生活しているので、満員電車の人混みは体にきついですね
2007年04月04日
不妊治療費助成制度
平成19年度の助成制度が判明しました。先日ブログにも書き込みましたが1回当たりの助成金が20万円にアップすると考えていた人も多いと思いますが、1回当たりは前と同じで10万円です。ただし年2回の助成が可能になりました。結局年20万円助成可能と言うことです
また所得制限も650万円から730万円になったので対象者も増えると思います
また助成対象は採卵から胚移植、妊娠確認までの期間です。卵胞発育が不良で採卵しなかった場合は助成の対象外になります
2007年03月24日
男性不妊外来
今日は私の外来は2時半までかかってしまい、2時からのTESE(睾丸から精子を取る手術)が少し遅れてしまいました。阪神間唯一の男性不妊外来ということもあって最近富みに外来(新患数)数が増加してます。5月からは月2.5から3回のペースに外来を増やすよう努力しています
決まりましたら、報告したいと思います
2007年03月23日
ガイドライン変更
学会の新たな指針として胚移植数を35歳未満で、初回の移植で1個に制限しようという動きがあります
これは多胎発生を抑制する意味でも良いと思います。現状の学会指針は3個以内の移植となっています。当院でも開院しばらくは3個移植でしたが、多胎率の上昇で3-4年前には原則2個としました。当初は妊娠率の低下も無く、多胎率も10%程度でしたが、技術の向上から、その後20%強となり(日本の平均くらい)昨年からは、若年者には出来るだけ1個移植をお願いしています(ただ移植前の説明で最終的な移植数を決める際には意外に2個移植を望む人は多いです)。当方の平均移植数を1.7個程度まで減少させているにも拘らず、残念ながら、多胎率の低下はあまり見られていません(1個あたりに着床率は年ねん上昇している為)。今回の指針を機会に1個移植の普及に努めたいと思っています
2007年03月17日
助成金の変更
皆さんもご承知かと思いますが、来年度(4月から)の不妊治療の助成金のシステムが変わります。
私の思ってた事としては、助成が年20万円(1回の治療)にアップする事だと思ってました
今日、大阪市の担当部署より来年度の助成事業の計画案が郵送されました。それを見ると、1回20万円で年1回ではなく、1回10万円を年2回までOKみたいです。また所得制限も650万円から730万円にアップしたので利用できる人も増えるのではと思います
他の自治体も、おそらく同様の内容ではないかと推察します
またわかり次第お知らせします
2007年03月11日
討論会感想4
2部は、それぞれのパネラーの活発な意見が飛び交い、おもしろかったです。質問をまとめすぎた感があるかもしれません。お答えできなかった質問に関しては後日私が答えたいと思います
2007年03月09日
討論会の感想3
辻村先生の男性不妊の話は、非常にわかりやすかったのではないかと思います。最後の睾丸から精子を取る手術のビデオは少し生々しかったかもしれません。以前にも辻村先生から聞いたことですが、お子さんをお持ちの男性の精子数は8000万くらいで運動率も70%位有ると言う話でしたが、現場での(当院)数とは大きな開きがあります。やはり不妊外来通院している夫婦の男性側は、一般とはかけ離れていますね。当院での体外受精でも、年々男性不妊による顕微授精の割合が増えていってます
潜在的な男性不妊の患者さんはかなり多いのでしょうね。当院では阪神間唯一の男性不妊専門外来を開いていますので、この点で疑問をお持ちの方は是非、外来にお越しください。
今は月2回土曜ですが、需要も多いので5月以降は月3回外来日を確保できるように検討中です
2007年03月08日
討論会での感想2
次は佐藤先生のところですが、多分、素人的には1番わかりにくかったかなーとおもいます。遺伝の中で出てくる言葉も専門的でやや理解しにくかったのではないでしょうか?最近の報告では体外受精児の奇形率は20-30%くらい増加するとの報告が一般的です。しかし、この増加は何に起因しているかは定かではありません。手技に(体外受精の)よる物とはあまり考えないのが一般的です。証明するには、体外受精の必要性がない人に実施して本当に率が増えるかを検証する必要があります。また20-30%の増加はの意味は1000人中5人が、6人になると言う話で、それほどリスク増加していると言う話ではないでしょう
とにかく、リスクが増えると言っても、元々、率自体が低いので少し高まったと言ったとしてもそれほどの事ではないでしょうね。
無用な心配は必要ないと思います。しかし、講演で、しばしば話にも出てきていましたが、自然でも何にかは起こります。防ぎようはないです。唯一防ぐ手立ては妊娠しないことでしょうね
2007年03月07日
討論会での感想1
今日くらいから、私自身の感想を述べます。荒木先生(特別講演)の講演は、最新のデータを駆使して、今回は一般不妊に関しての話もしてくださったので非常に内容はわかりやすかったと思います。ただし、年齢因子を強調するあまり、40歳以上は治療するなと聞こえてしまう向きもあるかと思います。確かに40歳以上の妊娠率は低くなります。ただ、妊娠率は0になるのではありません。十分妊娠可能な方もいらっしゃいます。逆に30代前半でも妊娠が困難な人もいて年齢だけで割り切るのはどーかとは思います。むしろ、卵巣機能が老化しているかどうかが問題であって(年齢と卵巣機能老化が一致していることは多いが)、年齢で全てを決める必要はないと思います。
2007年03月04日
討論会終了
本日は出席者の皆様、ならびに実行委員会の諸先生方、長い時間本当にお疲れ様でした。少しは生殖医療の発展に寄与できたかなーと思っています。今後も何らかの機会に、生殖医療の現況を皆さんに知ってもらえる機会を作りたいと思います
どうもお疲れ様でした
2007年03月03日
明日の討論会
明日の討論会の最後の用意してます。300人収容のホールですので、当日参加もできます。時間がある方ぜひご参加ください
2007年03月02日
最終打ち合わせ
4日の最終打ち合わせをしていて遅くなってしまいました。今日はこの辺で
2007年02月25日
土曜のセミナーで
土曜のセミナーの後個人面談をしている際、話聞いていて少し気になることがあるので書き込みます。
面談の方は女医という理由で、あるクリニック(主に更年期や心療内科的なものが専門)不妊治療に通われていました。数回の人工授精がうまくいかないという事で相談にこられました。
いつも言ってる事ですが、不妊治療と婦人科は別、特に更年期などの治療とは全く別物です。軽い不妊は一般婦人科、重症なら専門クリニックとお考えの方も多いようですが、この考え方は如何なものでしょう。かなり多くの人が結局専門クリニックに転院せざるを得なくなり、無駄な時間を過ごすケースが多いように思います。例えればすし屋で、スパゲティを注文しているような事でしょう。
それと、女医さんで、この領域での専門の先生は非常に少数で、関西でも数名でしょう。女医だからっと言って選択するよりも、腕で判断すべきです。
せめて、そのようなクリニックを選択する際は、きっちりとした治療成績の開示を求めるべきです
打ち合わせ
今日は3月4日の討論会の打ち合わせを中嶋レディースの中嶋先生としました。準備も最終段階となりました。細かなところでの確認をしました。今日の打ち合わせ場所は大阪の玉造(私の生まれた場所近くです)のテッチリ屋さんでした。雑炊はなかなかの美味でした。ではまた明日
2007年02月23日
昨日の続き
昨日の書き込みにコメントがあり、討論会の当日参加の有無に関するものでした。昨日もお話したように昨年より出席者は多いようですが、会場が3倍の広さですので、人数の余裕はあります。当日直接参加していただいても問題ないと思います。お待ちしています。
また明日は定例のセミナーです。こちらも当日の飛び込みもOKです。宜しくお願いします
2007年02月22日
3月の討論会
段々近づいてきました。昨年よりは参加者も多い見込みです。パネラーとの打ち合わせも最終段階に差し掛かってきましたね。より、正確な不妊の現況を多くの人に知ってもらえる機会になれば良いと思います
2007年02月16日
企業の不妊治療補助
今日の日経をみていると何とキャノンは体外受精の治療費の50%、最大100万円の補助を打ち出した、と言うことです。これは返済義務も無いと言うことで画期的ですね。そろそろ、国が主体となって最低、体外受精の保険化を検討したほうが良いのではないでしょうか。
さすが民間企業は打つ手が早いですね。感心しました
2007年02月07日
一般婦人科での人工授精
最近妊娠された方(2人目不妊)で1人目は専門クリニックで人工授精し妊娠出産しました。その後2人目の治療(人工授精)を近くの一般婦人科でそれ相応の回数をしたのですが妊娠に至らず、当院に転院し(自主的に)人工授精したところ妊娠しました。人工授精は確かに一般の婦人科でも可能ですが、するタイミング、注入の技術、精子の調整などにはかなりの専門性が必要です。つまり処置が出来るということと、結果を出せる処置かは別です。人工授精レベルだといってどこでも出来る(結果が出せる)わけではありません。
もし、一般婦人科でするなら年間の実施件数と妊娠数、妊娠率を一般的な話ではなく、そのクリニックの本当の数字を聞いてからしたほうが良いです
2007年02月02日
やはりアメリカですね
昨日の移植数ですが、さすがに多いですね。初期胚で40歳以上5個というのはいかがでしょうかね。これの大きな要因として体外受精の費用が大きいということに関係があるでしょう。多少多胎のリスクが高くなっても、1回あたりの妊娠率を最大限高めたいのでしょうね
2007年01月31日
アメリカでの移植数
以下に最近アメリカでの胚移植数のガイドラインが発表されたのでお知らせします
米国生殖医学会議が体外受精での移植胚数に関するガイドラインを発表
American Society for Reproductive Medicine〔米国生殖医学会議(ASRM)〕のPractice Committeeが、体外受精(IVF)での移植胚数に関するガイドラインを発表しました。
1回に多数の胚を移植すると妊娠成功率は増しますが多胎妊娠の可能性も高くなります。
今回のガイドラインでは、まず予後良好(IVFを初めて受ける、胚の品質が良好、低温保存された良質の胚が十分な数存在する、以前にIVFサイクルで妊娠に成功したことがある)とそれ以外に大きく分け、卵割期胚移植と胚盤胞移植の際の最大移植胚数を女性の年齢別に勧告しています。
以下はこのガイドラインで推奨されている最大移植胚数です。
◇卵割期胚移植の場合
予後良好 の場合 35歳未満 1-2個 35-37歳 で2個 38-40歳 で3個 40歳超 で5個
それ以外 (良好胚で無いとき)それぞれ2 、 3 、 4 、 5
◇胚盤胞移植の場合
予後良好 35歳未満 1個 35-37歳 2個 38-40歳 3個 40歳超 3個
それ以外 (不良胚) それぞれ 2、 2、 3、 3
2007年01月23日
もう1つ止めたほうが良いこと
昨日の続きで、もう1つしないほうが良いことがあります。それは妊娠後の基礎体温計測です。確かにエコーなどが無い時代は妊娠の診断や流産の有無を見極める重要な検査でしたが、現在では妊娠流産の診断はエコーなどで容易です。流産して相当な日を経過しないと基礎体温の低下は認めません。エコーで順調なら1日低下したといって大慌てする必要は無いのです。測り方で相当上下があります
ま、とにかく測らなければ不安も生じないでしょう
2007年01月22日
妊娠反応
よく外来で、自己妊娠反応で陽性が出たと来院する方が多いです。よくよく聞いてみると、不妊治療で
hCGという注射後数日で判定したものが多いです。妊娠反応はhCGというホルモンを感知する検査です
治療でhCGを投与後に妊娠反応を調べれば当然陽性となってしまいます。つまりこの注射後7日以内に検査しても無駄ということです。お金ももったいないので、このようなことは出来るだけ控えたほうが良いです
2007年01月17日
産まれたそうです
世界で第1号の体外受精妊娠である、ルイーズ・ブラウン(1978年生まれ)さんが、自然妊娠で出産したそうです。体外受精の第2世代に突入と言うことになります。思えばこの医療も30年近い歴史になったと思えば感慨深く、私も既に若手からベテランの域に入っているのでしょうね
2007年01月08日
日経の記事
今日日経の記事に聖路加病院の佐藤先生(今度の討論会にも講演いただきます)が、若年者のがん患者を対象として、がん治療の前に卵巣の1部を切除し凍結保存する治療を同病院の倫理委員会に申請したとの記事が出ていました。若干の解説を加えると小児癌(白血病などが多いか)で化学療法(抗がん剤治療)を行うと正常の組織にもダメージを与え、特に卵巣へのダメージが大きく治療後永久不妊になります。事前に卵巣を凍結保存し治療後これを自己に移植し妊娠に至らしめると言うことです。若年者のがん患者さんにとっては永久不妊を防げるということではすばらしい事です。
2006年12月19日
生殖ニュースも多いです
最近、凍結精子の死後生殖(結局死後の使用しない)、習慣性流産んへのPGD(着床前診断で7例承認)、などニュースが多いです。しかし、今更このような議論があること自体遅きに失していると思います
ただこれらは、単に学会の方針と言うことなのでなんら拘束力はありません。やはり学会ではなく国のレベルで何がだめで何が良いのかを決める必要に差し迫っていると思います
体外受精の施設基準などもきちんと第3者機関で監査・承認するシステムが必要でしょうね
2006年12月13日
アンタゴニストのタイミング
これは卵胞が14mmを超えたら、投与を考慮しています。年齢が高いと中枢(視床下部-下垂体系)が過敏で抑えるのに苦慮します。平均3回くらいでしょうか、投与は。24時間しか効力が無いのできっちり24時間ごとに投与しています
2006年12月11日
やっとアンタゴニスト
アンタゴニストはロングとショートの欠陥を補っているように思います。アンタゴニストは中枢の抑制に時間がかからないので通常3回程度の投与で済みます。ロングのような長期投与にならないので、卵巣への影響は小さく卵胞の発育抑制は起こりません。またショートのような不安定な卵胞発育もありません。私個人は、ロングで排卵誘発が不十分な場合アンタゴニストを使っています
2006年12月10日
また続きです
ロング法の場合通常の卵巣の機能が維持されていれば、1-2日分の注射が増えますが特に問題なく多くの卵胞が出来ます。卵巣の機能低下があると極端に反応性が落ちて卵胞がほとんど出来なくキャンセルする場合も出来てきます。40歳以上の方はロング法はあまり向いていないかもしれません。
ショート法では、ロングと逆に早発に卵胞が出来る場合が有ります。注射を4-5回しか打っていないにもかかわらずです。このように早く出来すぎた卵子の状態は、悪いことが多いです。また、卵胞数はショートのほうが少ない傾向もあり、これらのことが少し妊娠率を下げている理由ではないかと考えています
2006年12月09日
昨日の続き
このアゴニストを月経前から使用して排卵誘発する方法を’ロング法’と呼んでおり、いわゆるスタンダードな体外受精の排卵誘発法です。この方法を使えば(アゴニストを2週から3週使用)ほぼ100%自立排卵を止めることは可能です。これで注射する日数は大体8か9日(8回から9回)かかります。アゴニストなしに注射のみの場合は1から2回注射回数は減ります。ロング法が出たのでついでにショウト法にも言及します。ショウト法とは月経初日からアゴニストを使う方法です(hCG投与時まで使用)。アゴニストは最初の数日、中枢抑制作用ではなく逆に刺激作用を発揮します。つまり中枢からFSHやLHが多量に出ている状態で、hMGを注射しているのと同じ状態になります。この場合使用期間が短くなるので自立排卵のリスクは多少ありますが、最初の刺激作用で排卵誘発剤の量は減らすことが出来ます。
ではショウトのほうがアゴニストの量も少ないし、hMGの量も減るから良いのではないかと思うでしょうが、妊娠率はロングに比べてやや悪いように思います。従って、わたしの考えではロングが出来ない人にショウトを試すようにしています
2006年12月08日
Gn-Rhアンタゴニストとは(まずはアゴニストから)
昨日の話の続きですが、普通体外受精の際に使われているのはGn-Rhアゴニストです。何のために使うかと言うと自立排卵を止めるためです。hMG製剤を投与して多数の成熟卵を胞を作りますが、勝手に排卵すれば卵子を取ることは出来ません(排卵したら卵管内に吸い込まれます:動物実験で卵子を使う場合は排卵させて卵管から回収します)。この自立排卵を防止するためにGn-Rhアゴニストと言う薬を使います。商品名としてはスプレキュアやナサニールなどと言ったものが有ります。当院ではナサニールの
ジェネリック商品(中身が同じ後発品)であるナファレリールという薬を使っています。自立排卵をとめると言うのは脳下垂体からLHと言うホルモンの分泌を抑えることです。LHが急激に分泌されると(これをLHサージと呼んでいる)、これを引き金にして排卵が起こります。この薬は少なくとも10日以上使わないとLHサージが抑えられません。この薬の長期使用は卵巣に対するhMGの反応性を弱めてしまう事です。
特に卵巣の機能が低下気味の人では、さらにこの作用が表に出てき、卵胞の発育が抑制されることがあります
2006年12月07日
セトロタイド入荷しました
この注射を打っている人も多いと思います。Gn-Rhアンタゴニストで自立排卵(LHサージ)を抑制する薬です。いままでは海外から輸入して使っていましたが、今年の秋より日本でも認可されました。
早速、当院も購入することになりました。輸入より若干安いので、今までより少しコストダウンを考えています
今までは1回4000円でしたが、もう少し安い値段設定にするつもりです。今日1日考えて明日にでも公表します
2006年12月03日
冬ですね
やっと冬らしくなりました。日本産婦人科学会から体外受精施設の登録を再度行うとのことで(全施設)、当院も昨日書類を揃えて提出しました。何の目的で再登録をするのかは不明ですが、実質的に体外受精していない施設の排除が目的なのかもしれません。そもそも現在体外受精の登録施設は600施設を超えています。諸外国に比べ異常に多いのが特徴です。しかしなんと、20%くらいの施設は実施さえしていません。また残りの施設の20%くらいは実施したが妊娠出産にいたっていない、実質未実施施設なのです。兵庫でも30施設近くが登録されていますが、実質行っているのは数えるだけでしょう
2006年10月24日
内膜症
子宮内膜症と不妊の関係は以前から密接であることは、よく知られています。しかし、この疾患の卵巣機能への影響については、患者さんはもちろん産婦人科医にも理解されていないのが現状です。今日は遅くなったので、明日以降はこの点に関して若干のコメントしたいと思います
2006年10月16日
思い出しました
昨日の代理母の件で、過去の記憶が甦りました。10数年前私が、大阪府立成人病センター(この病院はがん治療が専門です)に勤務していたころ、22-3歳で結婚間もない新婦が子宮がん検診に来て結果、子宮癌(進行性)が判明して、私が主治医で手術することになった事があります。進行性であったので子宮摘出は避けられない状況でした。この事実を告げたところ、当然ですが半狂乱に近い状態になり手術前日に病院を逃亡するという事態に発展しました。周りの人は命には代えられないから、手術やむなしということで納得してもらっていましたが、本人は納得できるわけ無いですよね、その際、私は日本では無理だけどアメリカに行けば代理母出産は可能であると告げて、納得してもらい手術に臨みました。手術は成功しその後の採卵のことを考慮した位置に卵巣を固定したことがよみがえります
半年後には、その病院から大学病院に戻り、さらに、その1年後には西宮の市民病院に出向したので、この方のその後は不明です。もしアメリカに渡り赤ちゃんを、その胸に抱けていれば私の行った手術も報われるような気がします
2006年10月15日
事件が続きます
北朝鮮の核実験で世間が騒々しいですが、生殖の分野でも事件が続いています。向井さんの件は、区が上告をして決着がつかない状態ですが、今度もまた長野の産院が代理母での分娩の公表をしていました。今度は母親が代理母になっていました。つまり自分の娘の子供を宿したということで、孫をお産したわけですね。日本では長い間議論はなされても、是非に関しては結論の無いまま今日に至ってしまっています。いろいろな意見もあるとは思いますが、そろそろきちんと認めるものと認めないものを法的に決めるべきです。今の状態は何をしても法的に問題なしと言うことです。
生体腎移植や肝移植に関しては明確な法律も無く行われているように思われます。何か生殖の分野でのドナーなどに関して、日本ではちょっと厳しすぎるのではないでしょうか
卵子の提供はともかく受精卵の余剰(凍結の)はかなり多く存在しています。これを第3者に与えても良いのではと思うのですが。これなら新たに卵子を提供することもないし(採取にリスクもあります)、かえって精子卵子が他人のほうが夫婦間の立場もフィフティ、フィフティが保たれるのではないでしょうか。
ドナー卵子の場合、遺伝的には母親は関与していないので離婚の際は、親権を父親に押し付けたりすることも十分考えられます
2006年10月12日
テニスの汗
久々にしました。肉体疲労はいいですね。もう少し日ごろから運動の必要性を重々感じました。
来月生殖医学会総会(旧不妊学会)が大阪であります。当院も演題4台だしており、昨日抄録集が来ました。そこで他院の発表内容を見ていましたら某大学病院(関西の国立病院)の発表がありました。この4年の体外受精の成績を公表していました。約100件行っており(月2件程度:日に2件ではないですよ)、4年で11人の妊娠で、9人が出産しています(ということは年2名の出産)。また移植あたりの妊娠率が11%弱という内容でした。件数も、異常に少ないですが、さらに妊娠率は日本産婦人科に公表されているものの1/3程度です。これを見ると大学での体外受精の時代は既に過去のものかと、いまさらながら物思いにふけっていました。同情できる点も多々あります。1つはチーム医療ということで数名の人が関わり(外来、採卵、移植を別のDrでになう)どうしても、患者さん全体の把握が難しく、統一した治療が困難な点、さらに人の入れ替わりも激しく熟練も出来ず、どうしても教育中心の医療になってしまっています。これが妊娠率が向上できない大きい要因でしょう。また土日の採卵移植は御法度で、これだけでも件数の制限になってしまっています。また外来が、日中のみ(もちろん土日はありません)なので専業主婦以外は来院しにくいでしょうね。
以上の点が改善されない限りは大学で体外受精医療が過去のように中心となるのは夢のまた夢でしょうね
2006年10月04日
向井亜紀さんの主張認められました
代理母出産で双子の母となった向井さんの出生届の受理を高等裁判所が認めた報道がありました
少なくとも、子供は確実に向井さんの子供であるので、当然のことではないかと思います。もし、この件に反対があるなら、きちんと法整備して、代理母を禁止することを明確にして出生届の受理拒否を行うべきです。少なくとも子供が意図したことでもなく、親も選べないので子供に不利益がなされることを1番避けるべきです。新しい法務大臣がこの件に関して、争うような発言をしていますが問題があるなら、国会でもっときちんと議論して法案を作るべきでしょう。この件はこれで終わりにすべきです。もともと、社会も変化していくのに法律だけがクラシックでついて行ってないことが問題です。
国会議員の大先生もっとこのあたりのこと考えてください
2006年10月01日
男女の違い
昨日辻村先生と話していて、結構ホルモン治療自体に関しては男女に差が無いなーと感じました。しかし1点全く逆のことがあります。何かと言うと下垂体機能不全(FSHが低い場合:女性なら無月経、男性なら男性化がにぶる→いずれも性ホルモンが低下するため)の時、女性の場合カウフマン療法(外的にホルモンを補充して月経周期を作る)を行います。全身へのホルモン不足の副作用防止と言うこともありますが、卵巣機能の萎縮予防が主なところです。つまり女性ホルモンを補わないと将来の妊孕性が損なわれるからです。一方、男性に男性ホルモンを補充した場合、全身的にはよいですが、睾丸が女性とは反対に萎縮するとのことです。つまり女性は補わないと萎縮し、男性は補えば萎縮する と言うことですね。
今後の生殖医療は婦人科医、泌尿器科医、培養士、不妊カウンセラー、体外受精コーディネーター等の総力で行っていくチーム医療であることを痛感させられました
一人の英雄よりも、チーム力で勝利を掴む医療を目指して行きたいです
2006年09月24日
核置換
22日のコメントで今回の学会での九州のクリニックの発表について書き込みがあったので追加で解説します。これは卵子の老化は、細胞質に起因するのでは?という考えからのものです。卵子を提供してもらい、そこから核を抜き去り、代わりに別の人の核を入れ込むということです。つまり核を入れ替えて若い細胞質と老化した核の組み合わせにするということを狙っているのです。つまり、こうすることによって卵子を若返らせようという試みです。この方法自体は目新しいものではなく世界的にも妊娠出産報告はあります。日本でも確か数年前、東京のクリニックがこの方法で妊娠出産例を報告したと思います。
今回、この方法で臨床応用したのではなく(決して移植はしていません)、基礎実験として行い、そこそこの割合で胚盤胞まで発育できたということです。決して妊娠出産ではありません。
今回の実験で目新しいのは未成熟卵を培養して成熟させた後、その核を利用した点ではないでしょうか
22日のコメントにも書きましたが、結局、日本では卵子提供は困難で現実的に行っていくのははどうでしょう?また第3者の細胞質を用いるということは、その人の細胞質も遺伝して行く(3人の遺伝情報を持つ)ことになりさまざまな問題が生じる可能性があると思います
2006年09月17日
1例目の解説
1例目の方は30の後半(40歳近く)で、他院で人工授精15回、その後体外受精となり採卵3回、移植6回を経験した後に、当院に受診されました。当院でも採卵3回、移植4回(ZIFT,2段階移植含む)を行いました。この方の場合、不妊原因もはっきりせず(原因不明不妊)、他院でも当院でもそこそこ良好胚が出来るのですが妊娠しないというということで毎回、排卵誘発法や移植方法も変えてチャレンジしていました。そして、今回学会発表の方法を提示した所、やってみたいという返事を得て、チャレンジしました。結果うまく成功して双生児妊娠となりました。今回治療法が適切であったことはいうまでもないのですが、この方の成功の大きい部分は、非常に治療に積極性が高かったことによると思います。私としては提案もしやすく(ここではじめて実施するのですがいいですかと確認すると、妊娠の可能性が高まるなら何でもしてくださいといってくれました)、直ぐに実施できました
治療に対して消極的であったり、副作用などを強調されると、どうしても治療ペースも鈍り、また治療法を変えにくいのは自明です。こうなると中々結果を出すのは難しいですね。早期の妊娠を望むなら虎穴にいらずんば虎児を得ず、の精神が必要でしょう
2006年09月16日
学会発表の内容
今回の発表は、多数回にわたり体外受精したにもかかわらず妊娠に至らなかった3症例(
良好胚移植にも関わらず)に移植前に自己血から抽出したMNC細胞(リンパ球が主です:白血球の一種)を子宮内注入したところ、妊娠・出産にたどり着けたので、この辺りの話を発表しました。何でこんな方法が妊娠に有効か?と思われますよね。体外受精不成功例の多くは(ただし良好胚形成が出来る人ですが)着床に問題があると考えられます。今回私が行った方法はこの問題を解決する方法の1つではないかと思われます。どのような理屈で行ったかと言うと、事前に子宮に注入した細胞から色々な物質が子宮内膜を刺激し、接着因子を誘導した結果胚が子宮内膜に接着しやすくなるのではないかという仮説の元行ったのですが、結果から見ると仮説は正しいのではと考えています。
明日はどのような症例であったかを少し解説してみたいと思います
2006年09月11日
最大の問題点は卵子
人間いたるところ老化して、妊娠が困難になるのは自明ですが、今の医療を駆使すれば卵子の老化以外の部分にはかなり有効な手立てがあります。日本では無理ですが、アメリカではドナー卵子を使っての体外受精は盛んに行われています。自分自身の卵子を使った体外受精は、残念ながら30歳の半ばを過ぎてくると急速に妊娠率は低下します。しかし、ドナー卵子を使えば40歳の半ば過ぎでも、20歳代とほとんど変わらない妊娠率を得られています。という事は卵子だけ変え体外受精を行えば妊娠可能ということになります。日本でもドナー卵子を認めようという意見もありますが、無償ということです(なぜか立法化も途中で頓挫していますが)。精子の採取と比べて卵子の採取は侵襲性が高いのでボランティアでは誰も提供しないでしょうね。
2006年09月10日
38才説、知ってますか?
昨日の続きになりますが、月経があれば妊娠できるでしょう。と、考えている人は多いですね。例えば
47-8歳でも月経があれば妊娠できるかといえば、多分ほとんどは妊娠しません。排卵しているのに何故?って思うでしょうが、既に卵子が老化し、妊娠出来る状態でない事が多いからです。
では、どの辺りの年齢から卵子の状態が悪いかというと、38歳辺りから急速に良好卵子が減少します。したがってこの辺りの年齢を超えてくると急速に妊娠率は低下します(中には40台の半ばでも若々しい方もいますが)。このことを38歳説と呼んでいます。ただ、中には32-3歳で卵子の状態が38歳レベルに衰える卵巣早期老化の方が全体の10%位に居られます。多くの方は普通に月経があるにもかかわらずです。
2006年09月09日
生殖ニュース
昨年の、出生数が確定しました。106万2530人です。この中には40歳以上の出産が2万人を越え、47年ぶりだそうです。もちろん他の年代層の分娩数は減少しています(特に20歳代)。これは結婚年齢の上昇と、不妊治療の技術が向上した事が、大きく寄与したためと思われます。よく30歳代の前半くらいに結婚して2-3年避妊してから、妊娠に望む人が多いように思えます。この考え方は、全く間違っていると思います。残念ながら、30歳半ばを越えると不妊症の割り合いは急増しますし、また治療レベルも、かなり高度なものが必要になるケースが多いです。もし、最終的に子供を作ろうと考えているなら、避妊などせずに、まずは妊娠にチャレンジして下さい。そうしないと結局、子供を持つ機会を失ってしまいますよ。
2006年09月05日
続きです
この検査には3点問題があると思います。1つは検査で陽性になる時間が24時間程度で、LHが上昇し始めに検査すると陰性になり、24時間後は下降時で陰性になる可能性があります。結局はっきりとした陽性が出ない可能性があります
もう1つは過剰水分摂取で希釈されて陰性化することも考えられます。
最後に陽性が出た翌日排卵となると、その日しかタイミングのチャンスはありません。翌日ですと妊娠率は低下します。妊娠はむしろ排卵の1-3日前くらいがピ-クになります。決して排卵日がピークではありません。
2006年09月04日
排卵診断薬について
これを使っている人も多いですね。しかし使いこなすのはなかなかのものです。まずこれは何を測定しているのかというと、尿中のLHというホルモンの上昇を見ています。このホルモンが上昇してきて1日間くらい高い値が持続し、その後排卵します(これをLHサージと言います)。つまりこの検査が陽性になったら翌日排卵ということです。
ここで、押さえておかないといけないポイントは妊娠は排卵前にタイミングを合わさないと成立しません。排卵後では全く妊娠0で、むしろ安全期ということがいえます。to be continued
2006年09月03日
またもや続きです
よく一般婦人科に通われた人に話を聞くと、まず基礎体温をつけてくださいと指示されているようですが、2層性の確認が出来れば、それ以上に計測の意味はないと思います。一体何を診断しようとしているのかはなはだ疑問です。排卵の有無は超音波検査やホルモン検査のほうがよほど正確です。これらの検査が出来なかった20年以上前なら基礎体温も有意義な検査だったかもしれません。
何かこれを計測するのが目的になって妊娠することが二の次になっている人もいるように思えます。基礎体温が綺麗な形だから妊娠するということでもないし、逆に整ってなくても妊娠してます。
あくまでも補助検査であることを頭に叩き込んでおくのがよいと思います
2006年09月02日
BBT再考
今日のセミナー出席者の皆様、1時間半の私の話にお付き合いいただきまして、厚く御礼申し上げます。
さて最近は新患の患者さんがまじめに基礎体温を見せてくれることが多いのですが、基礎体温の1日1日の上がり下がりに一喜一憂している人が多いです。以前このブログでも書き込んでいましたが、基礎体温をリアルタイムで診療に役立てようとするのはやめたほうがよいです。これを見ても正確な排卵日はわかりません。体温が低下した翌日はもっと下がるかもしれません。これで未来を占うのは無理です。
また、これを記録し始めてから月経不順になる人も多くいて、強いストレスになっている可能性が高いです。ストレスは妊娠にとっては最大の障壁です。ストレスにならないなら記録してもいいですが、上がった下がったと、きになるなら何もしないほうがよっぽどましです
2006年08月27日
当院の成績も
では当院のこの半年の成績も書き込みます。詳細はホームページにアップしていますのでこれを見てください。体外受精全般(顕微授精+凍結融解胚を含む)では54妊娠を認め、年間100妊娠以上は軽く突破しそうです。移植あたりの妊娠率も38%でまずまずでした。後人工授精、タイミング、排卵誘発妊娠すべてを含めて138妊娠で、年間300妊娠も可能になってきました。
追伸:今朝、大きなニュースがありました。体外受精の助成金が年20万円にアップするとのことです。
それと所得制限にも考慮されるということですので、ちょっぴりいいニュースですね
2006年08月26日
実施施設の処置数
体外受精を行っている治療周期が50以下の施設は337施設<全部で544中)でした。顕微授精も50以下が167施設(全部で342)、凍結融解胚では270施設(全部で387)という結果で、相変わらず実施数が少ない施設の多さには驚きます。この点が日本の生殖医療技術の足をひっぱている大きな要因であるという指摘は私だけではなく多くでなされているところです。
公開討論会の後援に西宮市、西宮医師会が決まりました
また、現在のプログラムはホームページに掲載していますので、また1度覗いてみてください
ご意見あればどしどしお寄せ下さい。お待ちしています
2006年08月25日
凍結融解胚の番です
これの移植回数は24323で妊娠数は7594(妊娠率は31.2%)となります。流産数は1766(流産率は23.3%)、妊娠当たりの多胎率は11.9%でした。ちょっぴりですが、これが1番妊娠率が高いということになります。
2006年08月24日
顕微授精です
今日は顕微授精のデータについてです。採卵数は39822、移植は27172、妊娠数は7075、移植あたりの妊娠率は26.0%で、流産率は22.2%、多胎率は15.7%でした。出生児数は5373人です。
以外かもしれませんが、顕微授精のほうが少し体外受精より成績が悪いというのが一般的です。また慮者ほぼ同数くらい実施されています。明日は凍結融解胚についてです
追伸:討論会の後援にサンテレビ加わりましたこと報告いたします
2006年08月21日
続きです(体外受精データ)
いわゆる新鮮胚のデータです(という事は凍結胚移植ではないですよ)が、先ずは体外受精からしましょう。採卵総数は39397、移植総数は28858で妊娠数は8514、移植当たりの妊娠率は29.5%、流産数は1815(流産率21.3%)、多胎妊娠数は1941(多胎率17.5%)、出生児数は6686人でした
ちょっぴり、妊娠率は改善していますかね
2006年08月20日
昨日の続き(成績の)
という事は体外受精は実施施設の(既に登録施設の80%くらいになっている)81.4%が分娩報告があるということです。顕微授精は81.9%、凍結融解胚(実施施設387)はなんと71.1%で、つまり実施しているにも拘らず、1例も成功していない施設が20%強あるということは驚きというほかありません。兵庫県も登録施設が30施設くらいあったと思いますが、残念ながら詳細の公表は無いので何施設が幽霊施設なのかは不明です
2006年08月19日
平成16年のデータ(日本の体外受精)公表されました
日本産婦人科学会で公表されました。体外受精の登録施設627施設(外国と比べるととてつもなく多い:アメリカ250施設、英国100施設)中、実施したと答えたのが547施設で、80施設は実施0ということでした。体外受精(顕微授精ではなく普通の体外受精です)の実施施設543中473施設が妊娠報告があり、さらに442施設が分娩報告がありました。という事は約450施設くらいが体外受精しているということになり、200施設近くは、成功例が無いということです。顕微授精では342施設で実施し、297施設で妊娠例があり、さらに280施設で分娩例があるということで、実質上280施設が実施し、62施設は成功例が無いということになります。これらのことから実に多くの幽霊施設があることがわかります
2006年08月11日
ピルの続き
昨日までは色々な病気の予防がピルで出来る話をしましたが、実際のピルでの副効用(避妊以外)は月経痛の緩和、量の抑制、それと月経不順での月経調節の目的で使用されていることが多いです
この薬は体外受精にも使われています。特に実際の採卵する前の周期に使います。使用の理由は、しぜん排卵があると、体外受精周期に残存卵胞(排卵せずに残っていたりすることが時々ある)がある場合、その卵巣はhMG製剤にあまり反応せず卵胞発育が不良になり、採卵数の低下を結果的に招き、妊娠率が低下することが知られています。このような点からもピルはARTでも使われているのです
2006年08月03日
昨日の話しの続きです
昨日のブログの後半は私の意見ですが、さらに予算という観点からいうと、出生数は30年前に比べるとほぼ半減しています。つまり100万件くらい出生が減っています。今まで分娩育児金として一人30万円(今年から35万円に増額)出ています。という事は30万X100万(3000億円)の予算が浮いてるはずです。これを不妊治療に少しまわせば、お金は十分あるように思いますが、如何なものでしょうか?
浮いたお金は、老人系のところに分配されているのでしょうね
ちなみに石川の輪島では年間最高49万円が不妊治療に補助され、これを利用した18組のうち13組に子供が生まれたとの事です
こんな自治体がうらやましいですね
2006年08月02日
新聞から
日経を読んでいると、少子化対策の記事がありました。少し紹介すると分娩数は30歳をピークに正規分布(いわゆる山型)しています。年齢別の人口は、団塊ジュニアの32歳がピークです(団塊ジュニアは31-34歳)。20歳台の人口は急速に減少し、今後急速な人口減が予想されます。現在47万組の夫婦が不妊治療していると推定されます。残念ながら経済的な問題から不妊カップル全員が高度生殖医療は受けていません(5-6万組が治療していると思います)。、もし10万組のカップルが高度生殖医療を受けれるようになれば2万人は出生が増えます。これは2%出生数を押し上げるという結果になります。不妊治療自体が少子化対策ではないと思いますが、副次的には少子化にも役立つと思います。一人30万円くらい補助すると10万組で300億円くらいの費用です。高いか安いかは別にしても年金などで良くわからない施設建設に数百億円使う金があれば安いように思いますが、如何でしょうか?
2006年07月25日
胚移植や人工授精後の休憩は?
これについて、神経質になっている人が多いようです。結論から言うと、休憩の必要が無いというのがコンセンサスです。現に、AIHでも当院では、開院時は15分くらい休憩していました。現在は休憩無しですが、妊娠率には差が出ていません。IVFも開院時は4時間休憩していましたが、その時の成績がよいということはありません。ネットなどで、この手の情報が飛び交っているようですが、休憩が必要という情報は信用しないほうが良いです
2006年07月23日
体外受精の番です
この半年の妊娠は53例でした。全体の移植当たり妊娠率は39.1%とまずまずの成績です。平均年齢は35.6歳、多胎率24.5%、流産率は18.9%でした。今年からSET(single emmryo transfer:単一胚移植、つまり移植胚を1個にする)の導入を始めており、前の半期からは少し多胎は減る傾向になっています。出来れば35歳以下で2回目くらいまで、あるいは既往体外受精での妊娠出産者も対象にしようと考えています。まだ取り組み始めたところですので紆余曲折もあるとおもいますが、今後は妊娠率や妊娠数だけでなく、qualityの高いARTを目指す時期に来ていると思います。
近々、もう少し詳しい成績をホームページ及びクリニック内にアップしようと思っています
2006年06月22日
資料作ってます
土曜のセミナー用の資料を作ってます。やはりリプロダクティブライツ(生殖の権利)の観点からも、患者さん自身が自己決定できる材料を提供出ればよいと思います。当日は100枚程度のスライドで不妊治療(今回は特に体外受精などの高度医療)のアウトラインを説明していきます。その後、質問に答えていく予定です。今回は仁川ですので、当日参加もOKですので、是非参加ください
2006年05月29日
5ヶ月頃のヨゼフです
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国の生殖医療の方針は、精子、卵子、胚の第3者提供を許可するということです。しかしボランティアであり提供者を明確にするという縛りがあり、現実的に提供者が出るとは思えません。精子はある程度可能かもしれませんが、卵子採取は侵襲性が高いのでよほどでないと無理でしょう
また代理壊胎は禁止です
法案の提出はされていませんが、これでは法律も名ばかりになるでしょうね
写真は生後半年前くらいのヨゼフです。もう中型犬並みになっています。何でもかんでも食べる(道に落ちているビニール袋など)時期で困りました。
投稿者 jart : 22:22 | コメント (3427)
2006年05月28日
特別講演から
本題に戻りますと、特別講演で『生殖医療の過去から未来・・・・その倫理的問題』という演題で津田塾の金城先生の講演がありました。日本での生殖医療の混迷の歴史を内容豊富に語られました。諸外国が生殖医療のガイドラインを作り上げる中、日本では先送りで何ら法整備などが出来ていません。法整備が無いのは日本とアメリカですが内容は大違いです。アメリカは自己責任で自由に何でもありの世界で(代理母も卵子の売買も・・それも商業的にです)、しかし日本は何も決まっていないので何もしてはいけないということです。また国、産婦人科学会、受精着床学会の現状に見解もばらばらです。結局、日本では一見なんでもありなんです。このへんは良し悪しもありますが、国がきちんとした方向性を決めるべきですね。明日は国の基準(国会提出されていませんが)について書きます
2006年05月21日
昼間テニスをしました
今日はいい天気でしたね。定例のテニス会を六甲アイランドでしました。メンバーは私と、薬メーカーのM氏、それと当院のホームページを作ってくれているK氏でしました。私が圧倒的に年配ですが、他の2人のほうが体力は?です。2人とも30台だと思いますが、男性はこの年代が1番体力低下する時期です。仕事が忙しくなかなか運動する機会もなくなりますが、しかし感覚的には20台の体力があると誤解しています。暴飲暴食で肥満も目立ってくる年頃です。この年代の方が不妊外来で治療していることが多いですが、特に最近、精子数が減っているように思います。男性ホルモンが高いほうが精子形成には有利です。しかし、最近の運動不足は肥満の原因になり、男性は肥満で女性ホルモンが多く作られ、反対に男性ホルモンは低下します。現実に当院の男性不妊外来に来院されている方の男性ホルモンは私の想像以上に低いです。また男性ホルモンの低下の原因としては種々のストレスも絡んできます。精子数が少なめになっている方は、少しスポーツで体脂肪率を落とすのが良いです。スポーツでストレス発散になるのでダブルの効果が期待できます。
昼間テニスをしました
今日はいい天気でしたね。定例のテニス会を六甲アイランドでしました。メンバーは私と、薬メーカーのM氏、それと当院のホームページを作ってくれているK氏でしました。私が圧倒的に年配ですが、他の2人のほうが体力は?です。2人とも30台だと思いますが、男性はこの年代が1番体力低下する時期です。仕事が忙しくなかなか運動する機会もなくなりますが、しかし感覚的には20台の体力があると誤解しています。暴飲暴食で肥満も目立ってくる年頃です。この年代の方が不妊外来で治療していることが多いですが、特に最近、精子数が減っているように思います。男性ホルモンが高いほうが精子形成には有利です。しかし、最近の運動不足は肥満の原因になり、男性は肥満で女性ホルモンが多く作られ、反対に男性ホルモンは低下します。現実に当院の男性不妊外来に来院されている方の男性ホルモンは私の想像以上に低いです。また男性ホルモンの低下の原因としては種々のストレスも絡んできます。精子数が少なめになっている方は、少しスポーツで体脂肪率を落とすのが良いです。スポーツでストレス発散になるのでダブルの効果が期待できます。
2006年05月17日
雨ですね
ゴールデンウィーク明けということで、今週は外来数が多くなり、待ち時間が長くご迷惑をおかけしています。雨ですね。何となく雨が多いように思います。しかしアレルギー持ちには助かりますが(花粉が飛散しない)。受精着床学会への演題提出が終わったところですが、早速、不妊学会の演題締切日が刻一刻と迫ってきました(6月のはじめ)、不妊学会には合計4演題(私1題+培養士3題)を出す予定で抄録作りに励んでいます。何とか今月中に仕上げたいです。この雨ですので定例の犬(ヨゼフ)の散歩は中止です。残念です
雨ですね
ゴールデンウィーク明けということで、今週は外来数が多くなり、待ち時間が長くご迷惑をおかけしています。雨ですね。何となく雨が多いように思います。しかしアレルギー持ちには助かりますが(花粉が飛散しない)。受精着床学会への演題提出が終わったところですが、早速、不妊学会の演題締切日が刻一刻と迫ってきました(6月のはじめ)、不妊学会には合計4演題(私1題+培養士3題)を出す予定で抄録作りに励んでいます。何とか今月中に仕上げたいです。この雨ですので定例の犬(ヨゼフ)の散歩は中止です。残念です
新薬に戻ります
この新薬の利点はなんといっても、感染症のリスクがないこと、尿の中の不純物がないので痛みや、アレルギーがない点、ロット間の差がなく作用が一定といったところです。効果に関しては同じ量を打った場合通常の1.5倍くらいは力強いのではないかと思っています。卵子の質を上げる効果も期待しています。ただ、痛みは少ないといいましたが、日本で先に発売のフォリスチムの使用経験からは、なぜか痛いという意見を多く聞きました。製剤自体ではなく中に含まれている何らかの物質による痛みでしょうかね?メーカーに聞いても答えてもらえませんでした。ゴナールエフ(今回発売される製剤)は痛みがないというもっぱらのうわさです。ちょっと、話が変わりますが先日テレビで阪神対ソフトバンク戦を見ていたらアニキ金本がしつこくインコースを攻められていましたが、何らいかった表情もせず、清原のような威嚇もしませんでした。さすがですね。これぞプロ中のプロですね。私も少しは見習って、この業界のアニキを目指したいものです。
新薬に戻ります
この新薬の利点はなんといっても、感染症のリスクがないこと、尿の中の不純物がないので痛みや、アレルギーがない点、ロット間の差がなく作用が一定といったところです。効果に関しては同じ量を打った場合通常の1.5倍くらいは力強いのではないかと思っています。卵子の質を上げる効果も期待しています。ただ、痛みは少ないといいましたが、日本で先に発売のフォリスチムの使用経験からは、なぜか痛いという意見を多く聞きました。製剤自体ではなく中に含まれている何らかの物質による痛みでしょうかね?メーカーに聞いても答えてもらえませんでした。ゴナールエフ(今回発売される製剤)は痛みがないというもっぱらのうわさです。ちょっと、話が変わりますが先日テレビで阪神対ソフトバンク戦を見ていたらアニキ金本がしつこくインコースを攻められていましたが、何らいかった表情もせず、清原のような威嚇もしませんでした。さすがですね。これぞプロ中のプロですね。私も少しは見習って、この業界のアニキを目指したいものです。
2006年05月15日
ちょっと横道にそれます
hMGの由来を、書き込んだので、ついでにhCGという注射についてもい少し解説します。hCGはhuman(人) chorionic(絨毛:胎盤のことです) gonadtrophin(性腺:卵巣のこと、刺激ホルモン)、つまり人の胎盤から出る、卵巣を刺激するホルモン、という具合のホルモンです。これは成熟卵胞に作用して排卵(40時間後)させる作用と、黄体に働いて黄体の維持(黄体ホルモンの分泌)に作用します。
この製剤もhMG製剤と同様に人の尿から生成されています・どんな人かというと、もちろん今述べてきたように妊婦の尿を集めて作っています。これは以前は日本でも尿を集めていたと聞いていました。妊婦さんから買っていたと聞いています。今はどのように集めているのでしょうね?メーカーに暇なとき確認したいと思います。ちなみにhMG製剤はヨーロッパの修道院(閉経した女性が多いのでしょうね)からか、日本のメーカーは中国から集めているとの事です(中国は下水が未整備ですので尿が集めやすい:つまりいわゆる汲み取り式なんでしょう:私の小さいときもこれでトイレに行くのが本当にいやでした、ブログ読者は、わjかいのでわからないとおもいますが)
ちょっと横道にそれます
hMGの由来を、書き込んだので、ついでにhCGという注射についてもい少し解説します。hCGはhuman(人) chorionic(絨毛:胎盤のことです) gonadtrophin(性腺:卵巣のこと、刺激ホルモン)、つまり人の胎盤から出る、卵巣を刺激するホルモン、という具合のホルモンです。これは成熟卵胞に作用して排卵(40時間後)させる作用と、黄体に働いて黄体の維持(黄体ホルモンの分泌)に作用します。
この製剤もhMG製剤と同様に人の尿から生成されています・どんな人かというと、もちろん今述べてきたように妊婦の尿を集めて作っています。これは以前は日本でも尿を集めていたと聞いていました。妊婦さんから買っていたと聞いています。今はどのように集めているのでしょうね?メーカーに暇なとき確認したいと思います。ちなみにhMG製剤はヨーロッパの修道院(閉経した女性が多いのでしょうね)からか、日本のメーカーは中国から集めているとの事です(中国は下水が未整備ですので尿が集めやすい:つまりいわゆる汲み取り式なんでしょう:私の小さいときもこれでトイレに行くのが本当にいやでした、ブログ読者は、わjかいのでわからないとおもいますが)
2006年05月14日
hMGについてもう少し詳しく
いまどき驚きの人間の成分由来の薬は、ほとんど存在しません。やはり1番の危惧されるところは、尿中うに未知の感染症の元がないのかという点です。世界では、もうとっくに人由来ではなく、遺伝子組み換え型(ま、工場で作っていると考えてください)に転換しています。昨年やっと1つの製剤(フォルスチム)が認可されましたが、この薬の保険適用はありません。昨年までこの新しいタイプの薬が認可されていないのは、なんと日本とイランだけという、仰天状態でした。ま、残念ながら日本では、世界で効果が判明している多くの薬も、厚生労働省の敷居が高く中々使えないのが現状で残念です。10年以上前になりますが私が大阪府立成人病センターという癌センター的な病院に勤めているときも、よく患者さんが直接アメリカなどで薬(抗がん剤)を調達してきて、投与してほしいと言われたことを思い出します。何で認可が遅いのでしょうかね?ま、お役人さんは、日本の色々な薬メーカーに気を使っているのでしょうね(早く認可されたら、日本の薬が売れない、お役人さんは、患者さんよりメーカーの顔色を伺ってます。多くの人が天下っているので当然でしょうね)
hMGについてもう少し詳しく
いまどき驚きの人間の成分由来の薬は、ほとんど存在しません。やはり1番の危惧されるところは、尿中うに未知の感染症の元がないのかという点です。世界では、もうとっくに人由来ではなく、遺伝子組み換え型(ま、工場で作っていると考えてください)に転換しています。昨年やっと1つの製剤(フォルスチム)が認可されましたが、この薬の保険適用はありません。昨年までこの新しいタイプの薬が認可されていないのは、なんと日本とイランだけという、仰天状態でした。ま、残念ながら日本では、世界で効果が判明している多くの薬も、厚生労働省の敷居が高く中々使えないのが現状で残念です。10年以上前になりますが私が大阪府立成人病センターという癌センター的な病院に勤めているときも、よく患者さんが直接アメリカなどで薬(抗がん剤)を調達してきて、投与してほしいと言われたことを思い出します。何で認可が遅いのでしょうかね?ま、お役人さんは、日本の色々な薬メーカーに気を使っているのでしょうね(早く認可されたら、日本の薬が売れない、お役人さんは、患者さんよりメーカーの顔色を伺ってます。多くの人が天下っているので当然でしょうね)
投稿者 jart : 21:25 | コメント (3444)
2006年05月13日
まずはhMGとは?
昨日新薬の話をしましたが、注射の排卵誘発剤とは?とお思いの方も多いかもしれません。一般的にはhMG製剤と言いいます。hMGはhuman menopausal gonadotorophinの頭文字からhMGとしています。hはもちろん人間、Mは閉経、Gは性腺刺激ホルモン、つまり人の閉経期の方からの ホルモンと言うことですね。閉経期の?とは何か?これは閉経期の婦人の尿と言う意味で、Gは尿中に含まれているホルモンのことです。尿から生成しているということです。中身はFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)からなります。何と人の成分の一部なのです。
まずはhMGとは?
昨日新薬の話をしましたが、注射の排卵誘発剤とは?とお思いの方も多いかもしれません。一般的にはhMG製剤と言いいます。hMGはhuman menopausal gonadotorophinの頭文字からhMGとしています。hはもちろん人間、Mは閉経、Gは性腺刺激ホルモン、つまり人の閉経期の方からの ホルモンと言うことですね。閉経期の?とは何か?これは閉経期の婦人の尿と言う意味で、Gは尿中に含まれているホルモンのことです。尿から生成しているということです。中身はFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)からなります。何と人の成分の一部なのです。
投稿者 jart : 22:20 | コメント (3407)
2006年05月12日
またもや週末です
週末になってしまいました。新しいニュースとしては新しい排卵誘発剤(世界的には新しくはないですが)が日本で認可されます。ゴナールFと言う製剤で遺伝子組み換え型のFSH製剤です。既に海外から輸入して使った方も結構居られると思います。今回は男性不妊の適応で保険での注射が可能です。
まだ女性には適応がないのですが、近い将来にはARTでも使えるようになると思います。
期待の薬です。この辺のところもう少し詳しく明日以降解説したいと思います
またもや週末です
週末になってしまいました。新しいニュースとしては新しい排卵誘発剤(世界的には新しくはないですが)が日本で認可されます。ゴナールFと言う製剤で遺伝子組み換え型のFSH製剤です。既に海外から輸入して使った方も結構居られると思います。今回は男性不妊の適応で保険での注射が可能です。
まだ女性には適応がないのですが、近い将来にはARTでも使えるようになると思います。
期待の薬です。この辺のところもう少し詳しく明日以降解説したいと思います
2006年05月05日
男性ホルモンの作用
あまり理由は判然としませんが過剰の男性ホルモンは卵の質低下を引き起こしていると言われています。それと未熟卵子が増えることも明らかとなっています。さらに流産が増えることも知られています。メトフォルミンと言う薬はインスリンを低下させ、結果男性ホルモンを低下させることにより、排卵性を改善し、卵子の質も良好にすることとなり、妊娠率が上昇し流産が低下すると考えられます。
男性ホルモンの作用
あまり理由は判然としませんが過剰の男性ホルモンは卵の質低下を引き起こしていると言われています。それと未熟卵子が増えることも明らかとなっています。さらに流産が増えることも知られています。メトフォルミンと言う薬はインスリンを低下させ、結果男性ホルモンを低下させることにより、排卵性を改善し、卵子の質も良好にすることとなり、妊娠率が上昇し流産が低下すると考えられます。
2006年05月04日
インスリンの排卵性への作用
インスリンはご存知の通り、血糖値を下げる作用のホルモンで膵臓から分泌されています。
インスリンの卵胞(卵子の入っている袋)への作用はどのようなものなのか?あまり知られてはいませんが卵胞の外側のきょう膜細胞に作用します。このきょう膜細胞ではコレステロールを原料にして男性ホルモンが精製され、その男性ホルモンが卵胞の内側にある顆粒膜細胞で女性ホルモン(エストロゲン)に変換されます。インスリンはきょう膜細胞の男性ホルモンの生成を促進します。さらに顆粒膜細胞での男性ホルモンから女性ホルモンの変換を抑制し、この2つの作用で男性ホルモンを増加させます。この男性ホルモンの増加が排卵性に関係するのです。過量の男性ホルモンは成熟卵胞への発育を強力に抑える作用があり、結果として排卵障害に陥ってしまいます
インスリンの排卵性への作用
インスリンはご存知の通り、血糖値を下げる作用のホルモンで膵臓から分泌されています。
インスリンの卵胞(卵子の入っている袋)への作用はどのようなものなのか?あまり知られてはいませんが卵胞の外側のきょう膜細胞に作用します。このきょう膜細胞ではコレステロールを原料にして男性ホルモンが精製され、その男性ホルモンが卵胞の内側にある顆粒膜細胞で女性ホルモン(エストロゲン)に変換されます。インスリンはきょう膜細胞の男性ホルモンの生成を促進します。さらに顆粒膜細胞での男性ホルモンから女性ホルモンの変換を抑制し、この2つの作用で男性ホルモンを増加させます。この男性ホルモンの増加が排卵性に関係するのです。過量の男性ホルモンは成熟卵胞への発育を強力に抑える作用があり、結果として排卵障害に陥ってしまいます
2006年05月03日
続きです(昨夜後半の)
当院来院後もFSHが高くカウフマン療法(ホルモン剤で周期を整えた)を繰り返しながら、数回にわたり多量のhMG剤で排卵誘発を試みましたが、1度と卵胞が育ちませんでした。色々文献を調べていますと早発閉経の方に耐糖能異常があるという報告がありました。耐糖能異常とは具体的にどういう事かといいますと、血糖値というよりそれを制御するインスリンと言うホルモンが過剰分泌されている状態です。このホルモンの影響で卵胞発育が抑えられていると言う理論です。従ってこのホルモンを低下させる薬を使うと排卵性が回復するのではないかと考え、数ヶ月使用の後自然に様子を診ると、驚くことに卵胞が発育し排卵に合わせてタイミングを合わせたところ妊娠に至りました
この薬が昨日ブログで紹介したネルビスという薬です
明日はインスリンがどうして排卵に影響があるのかを書き込みますのでお楽しみください
続きです(昨夜後半の)
当院来院後もFSHが高くカウフマン療法(ホルモン剤で周期を整えた)を繰り返しながら、数回にわたり多量のhMG剤で排卵誘発を試みましたが、1度と卵胞が育ちませんでした。色々文献を調べていますと早発閉経の方に耐糖能異常があるという報告がありました。耐糖能異常とは具体的にどういう事かといいますと、血糖値というよりそれを制御するインスリンと言うホルモンが過剰分泌されている状態です。このホルモンの影響で卵胞発育が抑えられていると言う理論です。従ってこのホルモンを低下させる薬を使うと排卵性が回復するのではないかと考え、数ヶ月使用の後自然に様子を診ると、驚くことに卵胞が発育し排卵に合わせてタイミングを合わせたところ妊娠に至りました
この薬が昨日ブログで紹介したネルビスという薬です
明日はインスリンがどうして排卵に影響があるのかを書き込みますのでお楽しみください
2006年05月02日
昨夜に続く
PGSのなかで反復性の着床不全に対しての成績ですが移植当たりの妊娠率が22%、それと年齢因子(advanced maternal age:何歳以上か書いていませんので不明)の着床率が20%、この両者はそれなりに有効のように思います
この件に関してこれ以上書けば底なし沼に落ちそうなので、この辺で終わりとします。
先日、30代の早期卵巣機能不全のかたが、自然妊娠にいたりました。FSH(卵胞刺激ホルモン)が30を優に超え、早発閉経に近い方でしたが、今回メトフォルミン(ネルビスという薬)療法後に自然排卵し妊娠に至ったので明日はもう少し詳しく報告します
昨夜に続く
PGSのなかで反復性の着床不全に対しての成績ですが移植当たりの妊娠率が22%、それと年齢因子(advanced maternal age:何歳以上か書いていませんので不明)の着床率が20%、この両者はそれなりに有効のように思います
この件に関してこれ以上書けば底なし沼に落ちそうなので、この辺で終わりとします。
先日、30代の早期卵巣機能不全のかたが、自然妊娠にいたりました。FSH(卵胞刺激ホルモン)が30を優に超え、早発閉経に近い方でしたが、今回メトフォルミン(ネルビスという薬)療法後に自然排卵し妊娠に至ったので明日はもう少し詳しく報告します
2006年05月01日
PGDの続きです
転座についての成績ですが、その前に転座とはある染色体の一部と別の染色体の一部が入れ替わっているものでトータルの染色体の量は正常ですが精子や卵子になる際に一部異常が生じる場合があります。結局のところ、色々なタイプの転座はありますが全体では採卵当たりの妊娠率は15%、移植当たりで23%ということでやはり妊娠率の改善には働いていないようです。それぞれの流産率を論文中で探しているのですが見つかりません。続きは明日とさせていただきます。
明日をお楽しみに
PGDの続きです
転座についての成績ですが、その前に転座とはある染色体の一部と別の染色体の一部が入れ替わっているものでトータルの染色体の量は正常ですが精子や卵子になる際に一部異常が生じる場合があります。結局のところ、色々なタイプの転座はありますが全体では採卵当たりの妊娠率は15%、移植当たりで23%ということでやはり妊娠率の改善には働いていないようです。それぞれの流産率を論文中で探しているのですが見つかりません。続きは明日とさせていただきます。
明日をお楽しみに
2006年04月28日
昨日に続きます
妊娠率は低いですが臨床妊娠(372例)あたりの流産率(39例)は10%ちょっとでまあまあ評価をしても良いのかもしれません。着床前診断の内訳はPGD936周期、PGS1211周期、PGD-SS72周期となっています。2001年以前と比べますと染色体の数的異常のスクリーニングが多くなっています。着床前診断を受けようとした理由では60%は年齢に関連した染色体の異常を心配してのものです。
PGD,PGS,PGD-SSそれぞれの移植あたりの妊娠率は25,23,24%でどれもそれほど高い妊娠率ではないですね。PGD-SSは特に元々何もない集団なので、これがコントロールとなる妊娠率でしょう。私個人の感覚ではもう少し妊娠率が高くても良いように思うのですが意外に低いなーと言うのが実感です。これをしても妊娠率を上げることは?と言わざるおえませんかね。
SSはsex selectionでした。訂正させていただきます。
明日(厳密には今から)は当地を離れますのでブログも臨時の休みとさせていただきます。この続きは30日の夜とさせていただきます。
昨日に続きます
妊娠率は低いですが臨床妊娠(372例)あたりの流産率(39例)は10%ちょっとでまあまあ評価をしても良いのかもしれません。着床前診断の内訳はPGD936周期、PGS1211周期、PGD-SS72周期となっています。2001年以前と比べますと染色体の数的異常のスクリーニングが多くなっています。着床前診断を受けようとした理由では60%は年齢に関連した染色体の異常を心配してのものです。
PGD,PGS,PGD-SSそれぞれの移植あたりの妊娠率は25,23,24%でどれもそれほど高い妊娠率ではないですね。PGD-SSは特に元々何もない集団なので、これがコントロールとなる妊娠率でしょう。私個人の感覚ではもう少し妊娠率が高くても良いように思うのですが意外に低いなーと言うのが実感です。これをしても妊娠率を上げることは?と言わざるおえませんかね。
SSはsex selectionでした。訂正させていただきます。
明日(厳密には今から)は当地を離れますのでブログも臨時の休みとさせていただきます。この続きは30日の夜とさせていただきます。
2006年04月27日
まだまだ続きます
PGSのPGの部分はPGDと同じですが、Sはscreeningです。PGDSSのSSはsex screeningです
screeningとは高年齢妊娠などで、染色体異常を心配して行った検査です。SSはもちろん男女産み分けのための検査です。ヨーロッパ不妊学会(ESHRE)では2002年に66施設で1603人がこれらを実施しています。2219周期に実施されています。このうち485の妊娠があり、113は化学妊娠(妊娠反応のみの妊娠:もちろん出産にはいたっていません)でした。つまり臨床的妊娠(ちゃんと子宮内に妊娠が確認できたもの)は372例です。流産は39例でした
先ずこのデータを見ると妊娠率はそれほど高くはないですね。採卵当たりの妊娠率は17%、移植当たりでも25%程度で、この数字は普通の体外受精の成績より幾分悪いです。胚を選別している割にはあまり芳しいとは言いがたいですね。
まだまだ続きます
PGSのPGの部分はPGDと同じですが、Sはscreeningです。PGDSSのSSはsex screeningです
screeningとは高年齢妊娠などで、染色体異常を心配して行った検査です。SSはもちろん男女産み分けのための検査です。ヨーロッパ不妊学会(ESHRE)では2002年に66施設で1603人がこれらを実施しています。2219周期に実施されています。このうち485の妊娠があり、113は化学妊娠(妊娠反応のみの妊娠:もちろん出産にはいたっていません)でした。つまり臨床的妊娠(ちゃんと子宮内に妊娠が確認できたもの)は372例です。流産は39例でした
先ずこのデータを見ると妊娠率はそれほど高くはないですね。採卵当たりの妊娠率は17%、移植当たりでも25%程度で、この数字は普通の体外受精の成績より幾分悪いです。胚を選別している割にはあまり芳しいとは言いがたいですね。
2006年04月26日
続きです
もう1つは昨今、新聞に出ていましたが着床前診断の適応拡大です。習慣性流産にも適応拡大しようということです。ちょっとここで言葉の説明をしておきましょうか。着床前診断とはまさしく着床する前に診断すると言う意味で着床する前の受精卵の診断です。では着床は受精後どれくらいですかご存知ですか?
受精後6-7日目に子宮内に着床します。ではそれまでは受精卵はどこにいるの?とお思いの方も多いでしょう。卵管内で育っているのです。かなり本題に離れてしまいましたが、着床前診断は大体は受精後3日目(大体細胞数は8細胞に分裂しています)の分裂した受精卵の1つか2つの細胞を取り出し調べます。英語ではPGD(preimplantation:着床前の、genomic:遺伝の、diagnosis:診断)と呼ばれています。しかし欧州ではこのPGD以外にもPGSやPGSSと言う言葉があり、同様に着床前の診断ですが目的としている部分が異なります。明日はこの辺をもう少し詳しく解説します
続きです
もう1つは昨今、新聞に出ていましたが着床前診断の適応拡大です。習慣性流産にも適応拡大しようということです。ちょっとここで言葉の説明をしておきましょうか。着床前診断とはまさしく着床する前に診断すると言う意味で着床する前の受精卵の診断です。では着床は受精後どれくらいですかご存知ですか?
受精後6-7日目に子宮内に着床します。ではそれまでは受精卵はどこにいるの?とお思いの方も多いでしょう。卵管内で育っているのです。かなり本題に離れてしまいましたが、着床前診断は大体は受精後3日目(大体細胞数は8細胞に分裂しています)の分裂した受精卵の1つか2つの細胞を取り出し調べます。英語ではPGD(preimplantation:着床前の、genomic:遺伝の、diagnosis:診断)と呼ばれています。しかし欧州ではこのPGD以外にもPGSやPGSSと言う言葉があり、同様に着床前の診断ですが目的としている部分が異なります。明日はこの辺をもう少し詳しく解説します
2006年04月25日
学会で決まったこと事1
先ず、事実婚の体外受精の解禁です。
これは私にとっては奇異に感じられます。現実に婚外子は多数存在しますし、何をいまさらと言う感じですね。
次はパ-コールによる産み分けに根拠がないということ。これは、数年前も有効性がないと言う論文が海外で多く出ていました。私自身も数年前この方法で産み分けに挑戦していた時期もありますが残念ながら期待した結果にはなりませんでした。やっと公式に意味がないということを学会が認めたわけです。
これ以外にも怪しい生み分けを標榜しているクリニックが多くあるのは同じ産婦人科医として残念です。
学会で決まったこと事1
先ず、事実婚の体外受精の解禁です。
これは私にとっては奇異に感じられます。現実に婚外子は多数存在しますし、何をいまさらと言う感じですね。
次はパ-コールによる産み分けに根拠がないということ。これは、数年前も有効性がないと言う論文が海外で多く出ていました。私自身も数年前この方法で産み分けに挑戦していた時期もありますが残念ながら期待した結果にはなりませんでした。やっと公式に意味がないということを学会が認めたわけです。
これ以外にも怪しい生み分けを標榜しているクリニックが多くあるのは同じ産婦人科医として残念です。
2006年04月24日
日本産婦人科学会がありました
私は参加していませんが(昨年の京都の学会は発表しました)、いろいろな取り決め(不妊治療に関する)がありました。明日から何回かに分けて報告したいと思います。それではおやすみなさい
日本産婦人科学会がありました
私は参加していませんが(昨年の京都の学会は発表しました)、いろいろな取り決め(不妊治療に関する)がありました。明日から何回かに分けて報告したいと思います。それではおやすみなさい
2006年04月23日
ストレスとは
ストレスには色々有ります。典型的なものとしては急激な体重の減少があります。特に若年(20歳前)で数キロを短期間に落としても無月経となり放置すると卵巣機能不全に陥るケースもあります。
何故卵巣機能不全?とお思いでしょう。卵巣は排卵周期で自分が分泌する卵胞ホルモン(エストロゲン)が自分自身に作用して機能低下を抑制しています。ストレス→FSH低下→卵胞発育↓→卵胞ホルモン(エストロゲン)↓→卵巣機能低下→早期の卵巣機能不全(回復困難)
と言うことになってしまいます。
ストレスにはこれ以外にも心因的なものも大きく作用しているので、出来るだけおおらかに過ごすことが妊娠への第一歩になります
ストレスとは
ストレスには色々有ります。典型的なものとしては急激な体重の減少があります。特に若年(20歳前)で数キロを短期間に落としても無月経となり放置すると卵巣機能不全に陥るケースもあります。
何故卵巣機能不全?とお思いでしょう。卵巣は排卵周期で自分が分泌する卵胞ホルモン(エストロゲン)が自分自身に作用して機能低下を抑制しています。ストレス→FSH低下→卵胞発育↓→卵胞ホルモン(エストロゲン)↓→卵巣機能低下→早期の卵巣機能不全(回復困難)
と言うことになってしまいます。
ストレスにはこれ以外にも心因的なものも大きく作用しているので、出来るだけおおらかに過ごすことが妊娠への第一歩になります
2006年04月22日
ストレスと排卵性
ストレスで何故、排卵性がくるうのか?とお思いかもしれません。先ず、排卵は卵巣が自立的に毎月行っているのではなく脳(下垂体前葉)からFSHと言うホルモンが卵巣に作用して、卵子が成熟しLH(これも脳から出てます)と言うホルモンの作用で排卵します。つまり下半身が勝手に排卵しているのではなく頭で排卵させているということです。ストレス(色々な種類がありますが)は脳の機能を抑制させてFSHの分泌抑制に働き、結果的に排卵が大きく遅れたり、あるいは排卵しないという事態になります。
ストレスと排卵性
ストレスで何故、排卵性がくるうのか?とお思いかもしれません。先ず、排卵は卵巣が自立的に毎月行っているのではなく脳(下垂体前葉)からFSHと言うホルモンが卵巣に作用して、卵子が成熟しLH(これも脳から出てます)と言うホルモンの作用で排卵します。つまり下半身が勝手に排卵しているのではなく頭で排卵させているということです。ストレス(色々な種類がありますが)は脳の機能を抑制させてFSHの分泌抑制に働き、結果的に排卵が大きく遅れたり、あるいは排卵しないという事態になります。
2006年04月21日
昨日の続き4
長々と話してきていますが、私自身BBTを否定しているのではなく、リアルタイムの治療には参考にならないですが、中長期的には排卵の様子がわかり有効性は認めます。
先日も外来に来られた患者さんのBBTを拝見すると、記録をし始めて明らかに周期が伸びていました。これは記録することのストレスで周期が乱れていると考えます。結局、BBTが高いか低いかで一喜一憂してストレスになり、その結果排卵周期に乱れが生じたと言うことでしょう。それなら何も記録せずにすごすほうがよっぽどましでしょう。一日一日の記録を気にしないなら良いと思いますが。とにかくストレスを生じる事は妊娠には不利益ですので出来るだけ避けるようにしましょう
昨日の続き4
長々と話してきていますが、私自身BBTを否定しているのではなく、リアルタイムの治療には参考にならないですが、中長期的には排卵の様子がわかり有効性は認めます。
先日も外来に来られた患者さんのBBTを拝見すると、記録をし始めて明らかに周期が伸びていました。これは記録することのストレスで周期が乱れていると考えます。結局、BBTが高いか低いかで一喜一憂してストレスになり、その結果排卵周期に乱れが生じたと言うことでしょう。それなら何も記録せずにすごすほうがよっぽどましでしょう。一日一日の記録を気にしないなら良いと思いますが。とにかくストレスを生じる事は妊娠には不利益ですので出来るだけ避けるようにしましょう
2006年04月20日
昨日の続き3
BBTが何故ばらばらの体温になるのか。いくつかの要因があります。まず朝1番に測らなければならないので寝ぼけてきちんとはかれているかどうか若干の疑問疑問があります。体温を変動させるいくつかの要因もあります。1つは起床時間です。早く起きると体温は低下し、遅ければ上昇します。他にも睡眠時間も関係していて、短くなれば上昇します。ちなみに排卵前に1時間早く測定すると0.1度体温は下がります。正確を期す場合は、起床時間を一定にするしかないですが、中々難しいですね。
話は変わりますが、クリニック前の花壇があまりに殺風景でしたので、少し樹木を植えて花壇らしくしてますのでまたご覧下さい
昨日の続き3
BBTが何故ばらばらの体温になるのか。いくつかの要因があります。まず朝1番に測らなければならないので寝ぼけてきちんとはかれているかどうか若干の疑問疑問があります。体温を変動させるいくつかの要因もあります。1つは起床時間です。早く起きると体温は低下し、遅ければ上昇します。他にも睡眠時間も関係していて、短くなれば上昇します。ちなみに排卵前に1時間早く測定すると0.1度体温は下がります。正確を期す場合は、起床時間を一定にするしかないですが、中々難しいですね。
話は変わりますが、クリニック前の花壇があまりに殺風景でしたので、少し樹木を植えて花壇らしくしてますのでまたご覧下さい
2006年04月19日
昨日の続き2
低温そうの最低日(よくタイミング日といわれている日)は、卵胞ホルモンがピークになることで体温が下降します。この刺激でLHと言うホルモンが脳から出て排卵の引き金になります。このホルモンが出てきて40時間後くらいに排卵します。と言うことは最低日は排卵の1-2日前と言うことで、なるほど最も妊娠しやすい日です。よく誤解されますが排卵にあまり近いとかえって妊娠しにくいです。ここで冷静に、基礎体温を測って最低日をリアルタイムでわかるの?最低日と思っても翌日にもっと下がっているかもしれません。きちんと測るのも中々難しくきれいな体温表の人は極稀です。後で振り返ればここら当たりが最低日かなーとわかるもので、この表でタイミングをリアルタイムに決めていくのは土台無理がありますね
昨日の続き2
低温そうの最低日(よくタイミング日といわれている日)は、卵胞ホルモンがピークになることで体温が下降します。この刺激でLHと言うホルモンが脳から出て排卵の引き金になります。このホルモンが出てきて40時間後くらいに排卵します。と言うことは最低日は排卵の1-2日前と言うことで、なるほど最も妊娠しやすい日です。よく誤解されますが排卵にあまり近いとかえって妊娠しにくいです。ここで冷静に、基礎体温を測って最低日をリアルタイムでわかるの?最低日と思っても翌日にもっと下がっているかもしれません。きちんと測るのも中々難しくきれいな体温表の人は極稀です。後で振り返ればここら当たりが最低日かなーとわかるもので、この表でタイミングをリアルタイムに決めていくのは土台無理がありますね
投稿者 jart : 23:36 | コメント (3461)
昨日の続き
基礎体温での高温そう低温そうはホルモンで決まります。低温は卵胞ホルモン(エストロゲン;いわゆる女性ホルモン)の作用で決まります。卵胞ホルモンは名前の如く卵胞(卵子が入っている袋)から出ているホルモンです。つまり排卵までは卵胞があるので体温は低くなります。一方高温は黄体ホルモンの作用によります。黄体は卵胞が排卵した後卵胞が黄体になります。つまり体温が高いと言うことは黄体が形成されていると言うことにほかなりません
昨日の続き
基礎体温での高温そう低温そうはホルモンで決まります。低温は卵胞ホルモン(エストロゲン;いわゆる女性ホルモン)の作用で決まります。卵胞ホルモンは名前の如く卵胞(卵子が入っている袋)から出ているホルモンです。つまり排卵までは卵胞があるので体温は低くなります。一方高温は黄体ホルモンの作用によります。黄体は卵胞が排卵した後卵胞が黄体になります。つまり体温が高いと言うことは黄体が形成されていると言うことにほかなりません
2006年04月14日
この半年の体外受精のまとめ
相変わらず統計作業に追われています。この半年で体外受精(ICSIと融解胚含む)の臨床的妊娠数(ちゃんと子宮内妊娠の確認できたもので、妊娠反応陽性だけでは妊娠数には含んでいません)53例でした移植当たりの妊娠率も38%ありまずまずの成績で、年間体外受精系の妊娠数も100以上のペースになってきました。ということは今、体外受精での年間出生数は17000人くらいですので、おおよそ体外受精児の150人に1人は当院で妊娠したことになります。これを多いか少ないかは別にしても、そこそこ、この医療に関して貢献しているのではないかと思います。不妊治療全体としては年間400人くらいの妊娠数を目指して行きたいものです
ちなみに実施の平均年齢は36.3歳でした
この半年の体外受精のまとめ
相変わらず統計作業に追われています。この半年で体外受精(ICSIと融解胚含む)の臨床的妊娠数(ちゃんと子宮内妊娠の確認できたもので、妊娠反応陽性だけでは妊娠数には含んでいません)53例でした移植当たりの妊娠率も38%ありまずまずの成績で、年間体外受精系の妊娠数も100以上のペースになってきました。ということは今、体外受精での年間出生数は17000人くらいですので、おおよそ体外受精児の150人に1人は当院で妊娠したことになります。これを多いか少ないかは別にしても、そこそこ、この医療に関して貢献しているのではないかと思います。不妊治療全体としては年間400人くらいの妊娠数を目指して行きたいものです
ちなみに実施の平均年齢は36.3歳でした
2006年04月03日
昨日の研究会
昨日は東京の信濃町(新宿の近くです)でレーザーリプロダクション研究会と言うものでした。当院でも卵巣機能が悪化している人に対し補助療法として行っています(これは卵巣の血流増加をきたいしている)。ちょうど導入後10ヶ月くらいになったと思います。5名の妊娠を確認しています。研究会ではわれわれのやり方とちょっと違ったものも多く見られ、今後はそのようなものも参考にしたいと思います。現在は治療の効果判定に体表温度の上昇で評価していますが、それよりも実際の卵巣血流に変化がないかを今後治療効果の評価にしていきたいと思います。今のところ体表温度の変化は治療の有効性を見る指標になっていないようです。今後も症例を重ね、補助療法として確立するかどうかを見極めて行きたいです
昨日の研究会
昨日は東京の信濃町(新宿の近くです)でレーザーリプロダクション研究会と言うものでした。当院でも卵巣機能が悪化している人に対し補助療法として行っています(これは卵巣の血流増加をきたいしている)。ちょうど導入後10ヶ月くらいになったと思います。5名の妊娠を確認しています。研究会ではわれわれのやり方とちょっと違ったものも多く見られ、今後はそのようなものも参考にしたいと思います。現在は治療の効果判定に体表温度の上昇で評価していますが、それよりも実際の卵巣血流に変化がないかを今後治療効果の評価にしていきたいと思います。今のところ体表温度の変化は治療の有効性を見る指標になっていないようです。今後も症例を重ね、補助療法として確立するかどうかを見極めて行きたいです
疲れました
今日(昨日かな?)研究会の発表で東京に朝行き、夕方の飛行機で帰る予定でしたが、東京の天候が不順で欠航となり、代替の飛行機が関空行きでやっと家まで帰れました。結局羽田に5時間足止めでした。今日の報告は後日とさせていただきます。みなさん、おやすみなさい
疲れました
今日(昨日かな?)研究会の発表で東京に朝行き、夕方の飛行機で帰る予定でしたが、東京の天候が不順で欠航となり、代替の飛行機が関空行きでやっと家まで帰れました。結局羽田に5時間足止めでした。今日の報告は後日とさせていただきます。みなさん、おやすみなさい
2006年03月19日
まだ続きます
というわけで、病院の不妊治療は困難となり、私はじめほとんどのこの手の専門医は、追われるように開業し専門クリニックを開業の運びになったケースが多いでしょう。その後病院には専門医もいなく養成することも出来なくなり看板だけのところが多いです。例えて言うなら、デパートは何でもそろっていますが、そこで洗濯機を買う人はいないと思います。せいぜいどんな商品かを確かめている程度で、本気で買うのは専門の電器やさんでしょうね。本来は病院では周辺の色々な診療科とも連携できるので、メリットが大きいように思えます。今後は不妊クリニックが周辺の診療科を併設して総合的な生殖医療センターを作り上げていくのが良いのかもしれません。私自身もこのようなものを作りたいのですが、何せ微力で今の状態の維持に四苦八苦しています。ここら当たりを目標に残りの人生を捧げるのも良いかもしれません
まだ続きます
というわけで、病院の不妊治療は困難となり、私はじめほとんどのこの手の専門医は、追われるように開業し専門クリニックを開業の運びになったケースが多いでしょう。その後病院には専門医もいなく養成することも出来なくなり看板だけのところが多いです。例えて言うなら、デパートは何でもそろっていますが、そこで洗濯機を買う人はいないと思います。せいぜいどんな商品かを確かめている程度で、本気で買うのは専門の電器やさんでしょうね。本来は病院では周辺の色々な診療科とも連携できるので、メリットが大きいように思えます。今後は不妊クリニックが周辺の診療科を併設して総合的な生殖医療センターを作り上げていくのが良いのかもしれません。私自身もこのようなものを作りたいのですが、何せ微力で今の状態の維持に四苦八苦しています。ここら当たりを目標に残りの人生を捧げるのも良いかもしれません
2006年03月18日
昨日に続く(インフラについて)
病院の産婦人科の仕事の中心は、やはり分娩です。それと、婦人科の場合は癌の治療ですかね。
不妊治療はこれらの後から生じた分野ですので、元々ある産婦人科の中に強引に組み入れた感じがあります。連日の注射処置や、人工授精や体外受精の日程もおおよその計画は立ちますが、はっきりこの日とは決められません。しかし、これらの点には本当に理解が無いです。私が以前病院で体外受精していた頃では土曜日曜は採卵、人工授精、胚移植は絶対だめといわれたことがあります。患者さんの病状の都合(卵胞の発育具合)で土曜に採卵した日には後々、総婦長や院長などから厳重に注意されました。ま、この病院は組合が強くて、仕事を増やすのは原則Xでしたから。ということは月から金の間で全て終われということです。土台無理ですね。また夜の診療も無いのでどうしても患者さんの来院はかなりの無理を強いることになります。夜の注射も救急で無いのにどうして必要かと散々いやみを言われてました。産科の様な形(24時間の受け入れ態勢)で独立した形態が無いとこの医療は困難なのは明白です。産婦人科の人はこの医療は趣味の分野であると思っている人が多く、通常業務(産科や婦人科)はきちんと果たして、それ以外の時間での診療を強いられるのがとても辛かったことです。
昨日に続く(インフラについて)
病院の産婦人科の仕事の中心は、やはり分娩です。それと、婦人科の場合は癌の治療ですかね。
不妊治療はこれらの後から生じた分野ですので、元々ある産婦人科の中に強引に組み入れた感じがあります。連日の注射処置や、人工授精や体外受精の日程もおおよその計画は立ちますが、はっきりこの日とは決められません。しかし、これらの点には本当に理解が無いです。私が以前病院で体外受精していた頃では土曜日曜は採卵、人工授精、胚移植は絶対だめといわれたことがあります。患者さんの病状の都合(卵胞の発育具合)で土曜に採卵した日には後々、総婦長や院長などから厳重に注意されました。ま、この病院は組合が強くて、仕事を増やすのは原則Xでしたから。ということは月から金の間で全て終われということです。土台無理ですね。また夜の診療も無いのでどうしても患者さんの来院はかなりの無理を強いることになります。夜の注射も救急で無いのにどうして必要かと散々いやみを言われてました。産科の様な形(24時間の受け入れ態勢)で独立した形態が無いとこの医療は困難なのは明白です。産婦人科の人はこの医療は趣味の分野であると思っている人が多く、通常業務(産科や婦人科)はきちんと果たして、それ以外の時間での診療を強いられるのがとても辛かったことです。
2006年03月15日
さらにさらに続く
胚盤胞も良いですが、最近(昨年の夏ごろから)、採卵後4日目の桑実胚での移植を多くしています。
これは、初期胚と胚盤胞の中間で胚盤胞の副作用(1卵性の双生児・・・など)を排除できるメリットと初期胚より妊娠率が望めるというメリットがあり、世界的にも多くでなされています。この移植でもう相当数の妊娠も出てきたので、きちんとデータ整理の時期になってきているのでまとめなければと思います
胚盤胞と同程度の妊娠も見込めると言う感じはつかんでいます。
しかし、胚移植の方法は結局それぞれの人に合う合わないがあるように思います。
人それぞれにあわせて、どの方法が良いかをきちんと見極めて決めるのが良いと思います。
さらにさらに続く
胚盤胞も良いですが、最近(昨年の夏ごろから)、採卵後4日目の桑実胚での移植を多くしています。
これは、初期胚と胚盤胞の中間で胚盤胞の副作用(1卵性の双生児・・・など)を排除できるメリットと初期胚より妊娠率が望めるというメリットがあり、世界的にも多くでなされています。この移植でもう相当数の妊娠も出てきたので、きちんとデータ整理の時期になってきているのでまとめなければと思います
胚盤胞と同程度の妊娠も見込めると言う感じはつかんでいます。
しかし、胚移植の方法は結局それぞれの人に合う合わないがあるように思います。
人それぞれにあわせて、どの方法が良いかをきちんと見極めて決めるのが良いと思います。
2006年03月14日
またまた続く
良好胚の鑑別に前日、受精1日目の胚グレードといいましたが、これは受精後約18時間後くらいに胚を見ると中心部に丸が2つ見えます。これがあれば受精していることになります。この丸は精子と卵子の核です。これを前核と呼んでいます。この核の中にごま塩のようにいくつかの点があります。この点は核小体というものです。この前核の位置(胚の中心が良い)、2つの前核の大きさ(違いがないほうが良い)、それと核小体の数、大きさ、配置、これらを外来前に(8時頃)毎日観察し胚(初日の)のグレードを決めています。この日のグレードは意外と妊娠に関係しています。さらにもう少し細かい点を観察して、真に妊娠する胚を見つける努力をする所存です
またまた続く
良好胚の鑑別に前日、受精1日目の胚グレードといいましたが、これは受精後約18時間後くらいに胚を見ると中心部に丸が2つ見えます。これがあれば受精していることになります。この丸は精子と卵子の核です。これを前核と呼んでいます。この核の中にごま塩のようにいくつかの点があります。この点は核小体というものです。この前核の位置(胚の中心が良い)、2つの前核の大きさ(違いがないほうが良い)、それと核小体の数、大きさ、配置、これらを外来前に(8時頃)毎日観察し胚(初日の)のグレードを決めています。この日のグレードは意外と妊娠に関係しています。さらにもう少し細かい点を観察して、真に妊娠する胚を見つける努力をする所存です
2006年03月13日
さらに続く
最近数例経験した例ではグレード3(1,2が良好胚)が数個あり、初期胚移植では、どの胚にするか悩む例が2,3ありましたが、その中でも不良胚と思われたものがきれいな胚盤法に育ち結局妊娠にいたる例がありました。残念ながら、どの胚が1番良いかは中々わからないものです。胚選別の観点からは、胚盤胞の移植は有効な手立てです
ちなみに当院では、受精1日目の胚のグレード、2OR3日目のグレードの2点評価で、どの初期胚を移植するかを決めています。
さらに続く
最近数例経験した例ではグレード3(1,2が良好胚)が数個あり、初期胚移植では、どの胚にするか悩む例が2,3ありましたが、その中でも不良胚と思われたものがきれいな胚盤法に育ち結局妊娠にいたる例がありました。残念ながら、どの胚が1番良いかは中々わからないものです。胚選別の観点からは、胚盤胞の移植は有効な手立てです
ちなみに当院では、受精1日目の胚のグレード、2OR3日目のグレードの2点評価で、どの初期胚を移植するかを決めています。
2006年03月12日
続きです
よく知られている、問題点としては、少し1卵生の双生児が増えることが知られています。はっきりとした原因はわかっていないと思います。それと動物の体外受精の場合全て胚盤胞移植です。農学部の先生なんかと話をしていると、巨大児となっているのが多く(動物の話です、人では言われていません)、問題点もあるのでは?との事ですが、人の培養条件と動物はかなり相違があり(人の方が全て、条件は厳密で、培養環境は整っている)、動物ほどの問題は無い様に思います。ただし、この移植が主流になってからそう時間が経っていないので結論はまだでないでしょう。また、この数年、時々新聞紙上に出ている2卵性双生児の胎盤が癒合し両児間の血液が混同する例が報告されています。
ただし今後単一胚移植の時代になれば、胚盤胞移植はますます有利になるかもしれません
続きです
よく知られている、問題点としては、少し1卵生の双生児が増えることが知られています。はっきりとした原因はわかっていないと思います。それと動物の体外受精の場合全て胚盤胞移植です。農学部の先生なんかと話をしていると、巨大児となっているのが多く(動物の話です、人では言われていません)、問題点もあるのでは?との事ですが、人の培養条件と動物はかなり相違があり(人の方が全て、条件は厳密で、培養環境は整っている)、動物ほどの問題は無い様に思います。ただし、この移植が主流になってからそう時間が経っていないので結論はまだでないでしょう。また、この数年、時々新聞紙上に出ている2卵性双生児の胎盤が癒合し両児間の血液が混同する例が報告されています。
ただし今後単一胚移植の時代になれば、胚盤胞移植はますます有利になるかもしれません
新聞記事
最近、胚盤胞をしてますかと言う問い合わせが多いですね、先日読売新聞に記事が出ていたかららしいです。少し解説しておきますと、胚盤胞は受精5日目の受精卵で将来胎盤になる部分と、赤ちゃんの部分に分かれてくる時期です。普通この時期に着床するので、着床時期に移植ということより高妊娠率が期待されています。当院でも3年位前から導入しています。全体の1/3くらいはこの形の移植になっています。移植当たりの妊娠率は高くなりますが、採卵当たりとなりますと妊娠率が必ずしも上昇しているかは疑問です。やはり体外培養には限界があり、体内では発育する胚でも、体外では胚盤胞にならない胚も幾分かあると考えられます。この移植の最大のメリットは長期培養することにより胚選別ができることです。例えば7-8個胚があり同程度のグレードで移植胚の選別が難しいときは、更なる培養で本当に良好に発育するものが選べます。初期胚の場合は2個移植して残りを凍結して、今回か次回かに妊娠を期待すると言うことです。明日は、この移植の問題点も書き込みたいと思います
新聞記事
最近、胚盤胞をしてますかと言う問い合わせが多いですね、先日読売新聞に記事が出ていたかららしいです。少し解説しておきますと、胚盤胞は受精5日目の受精卵で将来胎盤になる部分と、赤ちゃんの部分に分かれてくる時期です。普通この時期に着床するので、着床時期に移植ということより高妊娠率が期待されています。当院でも3年位前から導入しています。全体の1/3くらいはこの形の移植になっています。移植当たりの妊娠率は高くなりますが、採卵当たりとなりますと妊娠率が必ずしも上昇しているかは疑問です。やはり体外培養には限界があり、体内では発育する胚でも、体外では胚盤胞にならない胚も幾分かあると考えられます。この移植の最大のメリットは長期培養することにより胚選別ができることです。例えば7-8個胚があり同程度のグレードで移植胚の選別が難しいときは、更なる培養で本当に良好に発育するものが選べます。初期胚の場合は2個移植して残りを凍結して、今回か次回かに妊娠を期待すると言うことです。明日は、この移植の問題点も書き込みたいと思います
2006年03月10日
資料作り
3月25日のセミナーに向けての資料作りを始めています。今回は排卵障害についての話で、不妊原因の中ではpopularな内容です。当然治療は排卵誘発剤になりますので、この辺も少し詳しく話をするつもりです。不妊治療中の多くの方は多かれ少なかれ使っているので、排卵障害はないが誘発剤を使っている人も是非、ご参加ください
1,2部に分けて2部で皆さんの疑問に答えるQ&A式にするつもりです
資料作り
3月25日のセミナーに向けての資料作りを始めています。今回は排卵障害についての話で、不妊原因の中ではpopularな内容です。当然治療は排卵誘発剤になりますので、この辺も少し詳しく話をするつもりです。不妊治療中の多くの方は多かれ少なかれ使っているので、排卵障害はないが誘発剤を使っている人も是非、ご参加ください
1,2部に分けて2部で皆さんの疑問に答えるQ&A式にするつもりです
2006年03月04日
今日の新聞の1面
今日の新聞にとうとう、30歳時点での女性でお産を経験していない人の比率が50%を超えていると言う記事がありました。また昨年には第1子の分娩の平均年齢が29歳を超えたという報告もありました。
人間の元々の妊娠能力は20歳前半が最高で、それ以降低下していき、特に30歳後半の低下は著明です。この調子でいくと、生殖年齢の人口は減りますが、不妊症患者の減少はあまりないのかもしれません。よく30歳の中ごろで結婚した人で子供はほしいが、直ぐには欲しくないということで、数年避妊している人がいますが、この考えはかなり危険ではないでしょうか。もし、30歳以上の方で子供がほしいのなら避妊はしないほうが良いです。こうすれば少しでも不妊症の方を減らすことが出来ると思います
投稿者 jart : 22:47 | コメント (3445)
今日の新聞の1面
今日の新聞にとうとう、30歳時点での女性でお産を経験していない人の比率が50%を超えていると言う記事がありました。また昨年には第1子の分娩の平均年齢が29歳を超えたという報告もありました。
人間の元々の妊娠能力は20歳前半が最高で、それ以降低下していき、特に30歳後半の低下は著明です。この調子でいくと、生殖年齢の人口は減りますが、不妊症患者の減少はあまりないのかもしれません。よく30歳の中ごろで結婚した人で子供はほしいが、直ぐには欲しくないということで、数年避妊している人がいますが、この考えはかなり危険ではないでしょうか。もし、30歳以上の方で子供がほしいのなら避妊はしないほうが良いです。こうすれば少しでも不妊症の方を減らすことが出来ると思います
2006年02月25日
さらにさらに続く
私が患者さんへの治療に関して早急な治療を要望しているのは年齢で言うと35歳前後です。この年代の多くは卵子自体に老化は無いので、我々が持っている技術を使えばかなり多くは妊娠可能です。しかし、この年代層が意外と積極的な治療に応じてくれないことも良くあり、私としては今治療すれば何とかなるという思いが強く、時には脱線気味に強い口調になってしまい、患者さんに不愉快に感じさせたと反省も良くしています。もっと現実の不妊症の実態とその治療の成果をわかりやすく説明し、今後の治療方針の参考にしていただければなーと思います。ちょっと資料不足もありますので出来るだけ頑張ってつくって提示していきます
さらにさらに続く
私が患者さんへの治療に関して早急な治療を要望しているのは年齢で言うと35歳前後です。この年代の多くは卵子自体に老化は無いので、我々が持っている技術を使えばかなり多くは妊娠可能です。しかし、この年代層が意外と積極的な治療に応じてくれないことも良くあり、私としては今治療すれば何とかなるという思いが強く、時には脱線気味に強い口調になってしまい、患者さんに不愉快に感じさせたと反省も良くしています。もっと現実の不妊症の実態とその治療の成果をわかりやすく説明し、今後の治療方針の参考にしていただければなーと思います。ちょっと資料不足もありますので出来るだけ頑張ってつくって提示していきます
2006年02月24日
さらに続く
年齢因子に関しては、日頃から感じるのですが我々と患者さんとの感覚がかなりずれているように感じます。つまり必要な治療レベルと受け入れられる治療レベルにギャップがあるようです
現実には30歳代から急速に妊孕力は低下します。38歳以降は卵子自体の老化が著名になり妊娠が難しくなってきます。しかし近年(この20-30年)晩婚化、これに関しては色々理由がありますが、精神的な面で大人になるのが以前より遅くなっているのではないでしょうか?しかし体は精神と分離して着々と老化に向かっているという矛盾が不妊症増加に関わっていると思います
さらに続く
年齢因子に関しては、日頃から感じるのですが我々と患者さんとの感覚がかなりずれているように感じます。つまり必要な治療レベルと受け入れられる治療レベルにギャップがあるようです
現実には30歳代から急速に妊孕力は低下します。38歳以降は卵子自体の老化が著名になり妊娠が難しくなってきます。しかし近年(この20-30年)晩婚化、これに関しては色々理由がありますが、精神的な面で大人になるのが以前より遅くなっているのではないでしょうか?しかし体は精神と分離して着々と老化に向かっているという矛盾が不妊症増加に関わっていると思います